会計学分野は、「財務会計論」、「管理会計論」、「監査論」、「会計史」の4つの領域に大別することができます。「財務会計 論」の領域においては、会計事象の認識原則、測定原則などにかかわる根本的な問題はもとより、例えば金融商品取引や M&A 取引などといった最新の問題が扱われます。また、法人税の課税所得の計算を中心とした税務会計や国際税務についても扱われます。研究手法は純理論的な手法 に重点を置きつつ、実証的な手法、さらには歴史的な手法までもが用いられます。「管理会計論」の領域においては、 ABC/ABM、原価企画、シェアードサービス、バランスト・スコアカードなどといった多彩なテーマが扱われます。実証研究、と りわけフィールド調査に基づく研究が積極的に行われています。「監査論」の領域においては、監査人の独立性に代表される不易の問 題は言うまでもなく、例えば、リスク・アプローチやIT監査などといった今日的なテーマも幅広く扱われています。そして「会計 史」の領域においては、会計、監査の近代化プロセスが広く資本主義経済の発展プロセスと関連づけて探究されます。また、近代会計 制度の要ともいうべき会計プロフェッションについて、その生々発展プロセスがときに社会学的な観点をも用いつつ考察されていま す。
担当者 | 専門分野 | 主要著作 |
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研究科委員長・教授 横田 絵理
Eri Yokota |
マネジメント・コントロール 管理会計論 組織行動学 |
『日本企業のマネジメント・コントロール』(中央経済
社,2022)、『フラット化組織の管理と心理』(慶應義塾大学出版会,1998)、「業績管理会計と組織行動」
(谷他責任編集『業績管理会計』所収,中央経済社,2010)、『マネジメント・コントロール:8つのケースから考
える 人と企業経営の方向性』(共著,有斐閣,2014)、「わが国のマネジメント・コントロール研究の文献分析」
(共著 『メルコ管理会計研究』10(1) 2018) |
教授 園田 智昭
Tomoaki Sonoda |
管理会計論 原価計算論 本社部門のマネジメント |
『シェアードサービスの管理会計』(中央経済社,2006)、『イノベーションと事業再構築』(共著,慶應義塾大学出版 会,2006)、『原価・管理会計入門』(共著,中央経済社,2010)、『プラクティカル管理会計』(中央経済 社,2017)、 『企業グループの管理会計』(編著,中央経済社,2017) 、『Q&A 管理会計の最先端』(日本公認会計士協会出版局,2019) |
教授 永見 尊
Takashi Nagami |
会計監査論 内部統制論 |
『条件付監査意見論』(国元書房,2011)、『会計監査と企業統治』(分担執筆,中央経済社,2011)、
『財務諸表監査』(共著,国元書房,2015)、「公正価値監査における質問のパースペクティブと職業的懐疑心」
(『會計』2015.2) |
教授 吉田 栄介
Eisuke Yoshida |
管理会計論 原価管理論 原価計算論 |
『日本的管理会計の深層』(共著,中央経済社,2022)、『実践経営会計(中央経済社,2021)、『持続的
競争優位をもたらす原価企画能力』(中央経済社,2003)、Multidimensional
Performance Evaluation Styles: Budget Rigidity and
Discretionary Adjustments, Pacific Accounting Review,
33-1, 64-80, 2021(共著) |
教授 荒田 映子
Eiko Arata |
財務会計論 | 『アナリストのための財務諸表分析とバリュエーション』(共訳、有斐閣、2018)、「会計基準の構造と変容ー 法と経済学による会計基準の分析」(『會計』203(2)80-94, 2023)、「リースの会計認識と所有権の経済理論」(『企業会計』74(10)97-108,2022)、「コンバージェンスの条件ー比較可能性の観点 から」(『會計』203(2)79-93,2023) |
教授 浅野 敬志
Takashi Asano |
財務会計論 経営分析 |
『会計情報と資本市場:変容の分析と影響』(中央経済社,2018)、『分析
利益情報の変容と監査』(共著,中央経済社,2011年)、『サステナビリティ開示ハンドブック』(分担執筆,日本経済新聞出版,2023年)、『ESG
カオスを超えて』(分担執筆,中央経済社,2022年)、『戦略的人的資本の開示』(分担執筆,日本能率協会マネジ
メントセンター,2022年)、『日本の会計社会』(分担執筆,中央経済社,2009年) |
准教授 前川 千春
Chiharu Maekawa |
財務会計 | 「利益計算システム類型化の意義」(『経理研究』第57号,2014)、「取得原価評価と一般購買力資本維持」 (『三田商学研究』38-4,1995)、「資本維持概念と資産評価基準の関係」(『三田商学研究』 38-3,1995)、「企業観と資本維持概念」(『三田商学研究』35-6,1993) |
准教授 木村 太一
Taichi Kimura |
財務会計論 | 『新版財務会計論(四訂版)』(共著, 税務経理協会,
2022年)、「全体利益は1つか」(『産業經理』83(2),
2023)、「持分移動の記録―子会社株式の一部売却取引を題材として」(『簿記研究』5(1),
2022)、「機会費用と財務会計」(『産業經理』80(2), 2020) |