慶應義塾大学 商学部・商学研究科

新保一成 研究室

開発と環境の経済分析...

計量経済学各論(開発経済の計量分析)

  1. R / RStudioについて
  2. 演習・課題データのダウンロードと使い方

R / RStudioについて

Rは, 統計計算とグラフィックのためのフリーソフトウェアです. 様々なUNIX,Windows,MacOS上で使うことができます.

RStudioは, Rのための統合開発環境(integrated development environment, IDE)で,RStudioからRを操作するととても便利なので, 授業でもRStudioを使うことを薦めています.

授業のスライドで示している計算結果やグラフのほとんどはRによって作成したものです. データを使った演習,レポート課題の説明にもRで書いたコードを例示します.

授業の演習で使うデータは, オリジナルを整理して, リレーショナル・データベース管理システム(relational database management system, RDBMS)の一つであるSQLiteのデータベース・ファイルとして提供します. Rを使えばRDBMSとの連携が容易であることも,授業でRを採用している理由の一つです.

もちろんRを使うことが必須ではありません. 演習と課題レポート作成のためには使い慣れたコンピューター言語を使ってくだい.

RStudio単体では動作しません.必ずRをインストールしてください.

  • Rは, CRANから自分のプラットホーム用のRをダウンロードし, インストールすることができます.
  • RStudioは, ダウンロードサイトから自分のプラットホーム用のRStudioをダウンロードすることができます.

日本マイクロソフト社製のMicrosoft Windows上でR / RStudioを使うときの問題点が指摘されています. 授業で受けた質問で頻度の高いものをまとめたFAQとともに,対処法をまとめた 「R / RStudio Known Problems & Other FAQs」を参考にしてください.

Rは有志によって構成されるプロジェクト・チームで開発され,世界中に本当にたくさんのRユーザーがいます. 何かわからないことがあれば, Rのプロジェクト・サイトにある ManualsFAQs, そしてインターネット上にある豊富な資源を活用して,問題を解決してください. もちろん,グループ学習も有効な学習手段です.

授業用Rプロジェクトの準備

RStudioで作業を行うのなら授業用のプロジェクトを作成することを薦めます. プロジェクトは,コンピューター上のディレクトリ(フォルダのこと)に関連付けられます. 授業で使うデータ,プログラム,計算結果やグラフなどの成果物などを全てこのフォルダで管理すればよいでしょう.

授業用プロジェクトとしてenvirodevonomicsという新規プロジェクトを作る場合には以下のようにします.

  1. RSTudioを起動します
  2. RStudioの[File]メニューで[New Project]を選択します.
  3. [New Project]のポップアップウインドウが開きます.
  4. 新規プロジェクトを新規フォルダとして作りたいので,[New Directory: Start a project in a brand new working directory]を選択します.
  5. Rパッケージの開発やShinyのプロジェクトを作るのではないので,[Empty Project: Create a new project in an empty directory]を選びます
  6. ディレクトリ名とその親ディレクトリ名を聞いてきます.ディレクトリ名にはプロジェクト名のenvirodevonomicsを入力します. 親ディレクトリには,envirodevomicsフォルダをどのフォルダの配下に置くかを指定します. [Browse]ボタンがありますから,適切な親フォルダを指定してください.
  7. 最後に[Create Project]ボタンを押して終了です.
  8. envirodevonomicsフォルダにenvirodevonomics.Rprojというファイルができます. 次回からは,このファイルをクリックすればRStudioが,envirodevomicsをWorking Directoryとして起動します.
  9. 演習・課題用のデータフォルダdataをこのフォルダに移動します.

MacOSでもWindowsでもフォルダーはツリー構造になっています. あなたのアカウント名/ユーザー名が`Yukichi`だとすると, `/Users/Yukichi/Documents`(Mac OSの場合),`C:¥Users¥Yukichi¥Documents`(Windowsの場合)の下に様々なフォルダを作って,ファイルを管理しているケースが多いと想像します. これは,トップに`Users`フォルダーがあり,その配下に各ユーザーのフォルダーが割り当てられ(この例では`Yukichi`フォルダ),さらにその配下に`Documents`というフォルダが割り当てられた木構造を示しています. `Documents`フォルダの配下に`envirodevonomics`フォルダを作成し,そこに`data`フォルダを移動したとすると, Windowsの場合には,`C:¥Users¥Yukichi¥Documents¥envirodevonomics¥data¥hdi2016.db`をファイル`hdi2016.db`へのフルパスと呼びます. Windowsでは,このパス上に日本語などのマルチバイト文字が含まれているとR/RStudioの実行に問題が生じることがわかっています. 特にアカウント名/ユーザー名にマルチバイト文字を使っていると致命的です. 対処法については, target="_blank">R / RStudio Known Problems & Other FAQs]を参考にしてください.

Rパッケージの準備

世界中のRユーザーが開発したRパッケージを賢く使うことで,R上での仕事効率を向上させることができます. この授業の演習,課題レポートでは,以下のRパッケージを使います.

  1. RStudioの右下にある[Packages]タグを選択すると現れる,[Install]ボタンをクリックすると, 「Install Packges」というポップアップ・ウインドウが現れます.
  2. [Pakages]とラベルの付いたテキスト入力欄が入力可能な状態になっているので, そこにパッケージ名を入力してください. 1文字入力するごとに候補が表示されるので,該当するものを選んで[Install]ボタンを押してください.
tidyverse
pyramid

インストールしたパッケージを使うためには,library関数でパッケージを読み込まなければなりません. たとえばtidyverseパッケージを読み込むためには以下のようにします. library(tidyverse)

演習・課題データのダウンロードと使い方

下の表は,授業の演習・課題で用いるデータベースの一覧です. SQLiteのデータベース・ファイルでデータを提供します. 各データベースの[zipファイルをダウンロード]にdata.zipというzip圧縮したファイルがリンクされています. リンク先のzipファイルをダウンロードしてください. zipファイルを解凍すると,dataフォルダが作成され, dataフォルダにはファイル欄に示した拡張子がdbのデータベース・ファイルとドキュメント欄に示した文書が配置されています. この文書にはデータベースの使い方の説明があるので,参照して下さい. dataフォルダを授業用のWorking Directoryに移動してください.

データベースバージョンファイル名ドキュメント
国連世界人口推計 2015年 wpp2015.db[zipファイルをダウンロード] RでWorld Population Prospect(WPP)を使う
人間開発データ 2016年 hdi2016.db[zipファイルをダウンロード] Rで人間開発データを使う