６時半起床。TVは相変わらず11.26の報道がほとんどだが、スポーツの情報なども入るようになった。昨日までは、スポーツはもちろん、11.26以外の報道は、ほとんどなかったといってよい。TVがこの事件に関して一日中報道するのは、事件の重大さ、報道機関としての使命という理由はもちろんのこと、ほとんど放送局の中心がムンバイにあるというのも一つの理由であろう。

ここに住んでいると、TVの報道と、日常の生活のギャップに少々戸惑う。インドの外から見れば、ムンバイが大変なことになっているというより、インドが大変なことになっているという印象なのであろう。しかし、インドにいると、明らかに大変なのはムンバイであって、その他のインドではない。

11.26以降何かが変わったか、と聞かれれば、特に気がつくものはないとしか答えることができない。国中が半旗を掲げるということもない。おそらく9.11の後のアメリカは、アメリカという国として何かが変わったのだろう。そして、そのままイラク戦争へと突入していった。9.11も11.26も実行犯の根元はアルカイダに通じるのかもしれないし（インドにはアルカイダと友達の大臣はいないようである、そうだったら即刻首だと思うけど）、実行に至るまでの計画性、経済や文化を象徴する都市を狙ったという点も共通している（手口はそうとうに違ったが）。しかし、自分の生活圏は非常に狭いものではあるが、ここデリーの人々の生活ぶり、会話は、11.26の昼間までと何ら変わらない。デリーにも、Taj Ambassador HotelというTajグループの超高級ホテルがあり、往きも帰りもその前をRickshawで通過するけど、何ら変わっていないように見えるし、近辺に屋台も出て、人も同じように集っている。おまけに、夜中に大音響で爆竹を鳴らす輩までいる。

デリーのインディラ・ガンディー国際空港に爆弾をしかけたというE-mailがあったそうだが、この情報も日本のインドに関するWebサイトで見た情報で、まだTVの報道では見ていない。また、今日もアッサム州で列車爆破事件があり２人の命が奪われたが、この報道も通常のニュース扱いである（10月末にもアッサム州で爆破事件があり60名ほどが死亡したが、これらはテロというよりも、インド北東部でインドからの独立を訴える過激派の犯行であり、ヒンズー教徒をターゲットにしている）。

事件後すぐに米国のブッシュ大統領は、インドと共に「テロとの戦い（Fight against Terror）」を続けることを表明し、ライス国務長官を派遣する。今日は、大統領選で敗北した共和党のマケイン氏が急遽来印した。インド政府の対応は、いまのところ冷静に見える。パキスタンに対する国際社会からの圧力も大きいようであるが、インドの外相も、パキスタンと共同でテロリストの拠点などについて調査を進め、パキスタンに対して軍事的な行動をとる準備はないことを表明している。インド、パキスタンは、9.11から何を学び、それが11.26後にどう活かされるのか、世界が注目している。

今日も、昨日と同じ作業を続けている。ドキュメントや数表を作りながらの作業なので、少々時間がかかっている。LaTeXで表を作る環境でctableというのを学んでみたが、これまでに開発されてきた作表環境がオールインワンになっていて、便利に使えそうだ。こういう寄り道も、こいいう機会でないとできないので、楽しみながらやっている。

今日も為替レートが一気に１ルピー1.84円まで上がったので、Jor Baghで換金して、Gulab’sに昼食に行った。残念ながら大混雑だったので、Eatopiaへ。今日は、いつもと違うメニューでChicken Tikka（焼き鳥、Rs.115）とKadhi Chawal（Rs.75）を食べた。Chawalがライスは、わかっているけど、Kadhiが付くと何が出てくるのであろうか。Kadhiは、Kofta（野菜団子）の入った少しだけ酸味のあるカレーで、ここのThaliに付いてくる一品であった。Thaliだといろいろな味が楽しめるからいいのだけれど、これ一品だけというのはちょっと重く、最後は格闘のようになってしまった。

５時半ごろ、ちょうど仕事の切りがよかったので、TERIを出て、IHCの中庭の絵の展示をぶらぶらと鑑賞。６時前であるがMr. Singhに電話してみると、もうゲートに来ているというので、Kahn Marketの酒屋によってもらってKingfisherのビールを調達して、家に戻った。