Taj 多事
Taj 多事
2008
6時半起床。おー寒い、寒い。最低気温が一桁を示すようになってきた。8時に家を出る。Rickshawの溜まり場に続く道で、見たような顔がこちらを見て手招きしている。なんと、いつもの「オニイさん」と彼にくっついているオジさんではないか。溜まり場で他の運転手にさらわれる前に、乗っけてしまえという作戦に出たようだ。抜け駆けである。辻村先生の経済政策論の「エッジワースの箱」の話を思い出す。そこでは、サルの一匹が抜け駆けしてカニに有利な条件を提示して再契約に望むのであるが、今回の場合こちらに有利な条件の提示はない。日本のタクシーのようにビールもでない(残念ながらビールが出るタクシーには乗ったことがない)。さらに、「エッジワースの箱」の場合、抜け駆けに気づいた他のサルがさらに有利な条件を提示して競争になるのであるが、はたしてどうなるのであろうか?
それにしても、そこまで争奮戦が激化しているのだろうか?そんなにRs.90は、高値の仕事なのだろうか?そうとしか考えられない。朝と帰りの時間は、明らかに需要超過で、それだけに高値をつけてくれる客を確保しようと必死なわけだ。でも小生のことだけを考えれば明らかな供給超過なわけだけど、値段を下げると他の客と無差別になってしまうから、そのインセンティブはないわけだ。
今日も、NSSの作表を続ける。やはり労働者数が一人の事業所の99%が雇用者報酬を計上していない。収入のうち支払うべきものを支払った残りは儲けであって、それを自分に対する労働報酬と利潤に分配するなんてことはしていないわけだ。Mr. Singhを見ていてもよくわかる。収入からガス代をはらって、車検の費用を貯蓄して、あとは一括して可処分所得だ。経済統計というのはやっかいで、これを別の所で働いたとしたらいくらもらえるかなどという仮定のもとに所得の源泉を分解しようとするのである。
これらの一人事業所の65%が電気代を支払ったという記録もない。これは要チェックである。まずは生産設備に関するデータを整理してみよう。それも部門別に見ることが必要だ。ガンジーの精神を継いで、手作業で糸を紡いだり、織物をしている工場も多いそうだ。ASIの場合、動力を使っている事業所に限定されているので、何のエネルギーも使っていないというのはエラーと解釈できるのであるが、NSSの場合は慎重に扱わないといけない。
昼は、Gulab’sでBhindi Do Pyaza(オクラとタマネギ、Rs.45)とRoti(パン、Rs.3)を2枚。週に一回は食べているけど、何度食べても美味しいです。
6時にTERIを出て、Mr Singhの車でシャカルプールへ戻る。戦争を仕掛けた国の記者に靴を投げつけれられた大統領には笑ったな。うまく避けてたけどね。
今日の天気予報 最高気温25℃、最低気温11℃、晴れ
昨日の天気 最高気温21℃、最低気温8℃、平均気温14℃
抜け駆け
08/12/15