Taj 多事
Taj 多事
2008
6時15分起床。7時ごろトイレで用を足して、水を流したが出ない。えっ、それはまずいだろう。バスルームや台所のいたるところの蛇口をひねっても出ない。飲み食いには、ミネラルウオーターを使っているので、まったく気がつかなかった。せめて、トイレに入る前に気がついていればと思っても、出してしまったものはしょうがない。すぐにセナさんに電話をして、事情を話す。
デリーでも朝夕の2時間づつしか水が供給されないので、各家庭ではその時間帯に水を貯めて使っている。多くは、屋上に水を貯めることが多いのだが(日本の屋根のように尖った屋根ではなくて、フラットな屋根なので、洗濯物を干すなどできる)、数年前にそこに蚊が大量発生してデング熱が猛威をふるったことがある。セナ家では、貯水槽を地下に置いているので、使うためにはポンプで汲み上げなければならない。屋上にあれば重力で水を使えるわけだが、ポンピングの電気代というコストを払ってリスクを避けているわけだ。今小生が住まっている部屋は、従来常に人がいたわけではないので、自動で汲み上げているわけではなく、お客さんが入るたびに汲み上げていたそうなのだが、小生が長居してるので、汲み上げておいた水が尽きてしまったというわけだ。大至急対処していただいたので、仕事に行く前にブツを流すことができて、よかった、よかった。外と家の中が同じ臭いになってはかなわない。
いつもよりちょっとだけ遅く家を出てRs.80のRickshawで8時40分に着席。仕事のことは、最後に書くことにしよう。昼は、なんとなく今日はインド味が飽きた気がしたので、Eatopiaでタイカレーを食べた。同じカレーという名前はついているが(ん?インドの方は特にカレーという名前はついていないか)、味はまったく別物だ。ここのタイカレーは、大変美味しいので、たまにインド味から退避するのにちょうどよい。インドのカレーよりホットなので、食べたあとは汗が大変。
3時頃にPalさんという人が大量の日本語の書類をもってやってきた。日本のJSTとJAICAが途上国に技術を移転するプロジェクトに研究資金を出している。実は、小生も慶應の産業研究所の所長さんとこれに応募してインドやタイとの共同研究の資金をとることを画策していたのだが、実際に技術を移転しないとだめということで断念せざるを得なかった経験がある。Palさんの書類は、日本のカウンターパートから送って来た申請書で、これで提出してよいかどうか一度目を通してくれと送ってきたそうだ。ところが全て日本語。海外と共同実施することが大前提の申請書が、日本語とは全く恐れ入ったし、それをそのままチェックしろ送ってくる方のメンタリーティーもまったく理解できない(かなり大物の名前であったが)。金額を含めてPalさんが知りたい情報を小生が申請書から探し出し(すっごい金額)、それをPalさんが英語に直すという馬鹿な作業のお手伝いをした。Palさんにしてみると、これからもこういことがあるのではないかととても不安で、できればこれからもよろしくということであった。Palさんはエンジニアで、小生の机の上にIron and Steel ProductionやElectricity Generationなどエンジニアが読む本と一緒に、Household SurveyやらEconometricsやらEnd of Povertyやら、それらとは関係なさそうな本が並んでいるのを見て、「お前は何者だ?」と聞くので「工学情報を経済モデルに取り入れることに非常に興味を持っていて、それをベースに持続可能性や貧困の問題を考えたいんだ」と答えた。「オレはエンジニアだけど、SachsのEnd of PovertyとCommon Wealthには感銘した」、「そうだろう」「いつまで居る?」「あと1年はいる」「そうか、ぜひ一緒に仕事できる機会を探そう。お前が属しているプロジェクトにオレを呼んでもらうのが、一番手っ取り早そうだ」ということで、その場は別れた。ただ単に日本人であるというだけで、知り合いができることがたまにある。HarvardにいたときのWeinsteinとの出会いも、彼が日本のデータについて聞きに来たのがきっかけだった。
5時をちょっとだけ回ったところで、二男から携帯に電話が入る。小生が、Skypeを起動させておかなっかたので、 Skypeを使えるようにしろとわざわざ電話してきたわけだ。そこで電話代を使ってはあまり意味がないんだけど...これからは5時を過ぎたらSkypeを起動しておくことにしよう。はじめて使ったが、なんとかつながるようで、どうやらマイクの性能がよすぎるらしく、まわりの音が全てはいってしまうらしい。5時を過ぎて、TERIも騒がしくなる時間帯だし、こちらのコンピューターのキーボードは時代物なので、かなり大きい音がする。隣のTushitaの仕事は、広報で、えらい勢いで文書を打ち込んでいるので、その音が全部マイクを通じてはいってしまい、相当にうるさいらしい。 それでも、ほとんど無料でこのように海を越えて話せるのだから、便利なことこの上ない。ただし、こちらの無線LANの状態が甚だしく不安定なので、同じ時間帯に常に話せるかどうかはちょっと不安。
今日からは6時にMr. Singhが来る。IHCの前でもう一人のSinghさん(つまりシーク教徒)を拾って出発。彼もShakarpurに住んでいて、彼の奥さんが数学のPhDを採るために頑張っているそうで、そんな話をしながら、いっしょに乗ってきた。二人の新シンさんが話し始めると、ヒンディ(彼は、パンジャビと言っていたように聞こえたが)と英語をごっちゃにして、いきなりこちらに「そうだろう?」などと聞いてくるので、首をかしげるしかなかった。6時に出る代償は、道がすごく混んでいることだ。Shakarpurに着いたのは7時。1時間かかってしまった。
仕事のまとめは、明日に回そう。明日も今日の続きをしなければならないから。
水が出ない!
08/11/25