Taj 多事
Taj 多事
2008
目が覚めて、そのままベッドの上で読書をして、7時ごろにリビングに降りる。インドの携帯が振動している。不明の電話だが、出てみるとなんと二男の声。Skypeを利用すれば国際電話も1分10円程度でかけられるとのことだ。先月の国際電話料金が目の玉が飛び出るような料金だったので、これはありがたい。TERIにいるときは、インターネットでの通話もできる。今日オフィスでSkypeをインストールしよう。マイクつきヘッドホンは、間もなく日本から届くはずだ。
今日は、半日仕事をして、午後はMr. SinghツアーでQtub Minar(クトゥヴ・ミナール)を見学する。ツアーといってもAuto Rickshawで連れて行ってもらうだけであるが。コンピューターなどをリュックに詰め替えて、8時過ぎに出発。8時半着席。
2Fには、すでに先着が三名ほどいた。何かテンパっているのかしら。どうやら、そのようで、男性の声があがると、女性が「I’ll check, sir.」と即座に対応している声が聞こえる。リサーチ・カーストもあるのか?TERIの仕組みは、まだよく理解していないが、少なくとも2Fの雰囲気は、3Fで小生が属しているグループとは相当にちがう。3Fは研究という臭いが強いが、2Fは仕事という臭いが強い。
昨日から、明後日のミーティングに備えて、1993/94年と1998/99年のEIO推定のベースになった個々のデータのチェックをしている。この国の統計資料の分散化は、日本の比ではなく、それに輪を掛けて厄介なのは、各省庁の年次報告(Annual Review)なるものに、似たような類いの情報で、異なる数値が報告されていたりするものだから、そのたびにソースを確かめないといけない。また、1991年の構造改革以降民営化が急速に進んでいるが、統計情報の中には民営のカバレッジが少ないものもあり、その場合には業界データや論文を探す必要がある。たとえば石炭の物質フローやエネルギー・バランスをとる場合にも、石炭の統計から出発して、それを使う電力や鉄鋼の統計で詳細を調べないとよくわからない。中には電力や鉄鋼統計のように、今回の分析におおいに役立ちそうなものも発掘されるので、一概に面倒くさがってばかりはいられないのであるが。
13時には仕事を終えて、IHCの出口に向かうとMr. Singhが待ち構えている。まずは、ランチを食べにPindiというレストランに向かう。着いてわかったが、初めてインドに来たときに、Rituの車で空ブレーキを踏んで足をつりそうになりながら連れて来てもらったレストランだ。運転手がこぞって観光客を連れて来る場所で、土曜のこの時間は長い列ができている。なるほど客を連れて来た運転手に無料で食事を提供するものだから、外国人で繁盛するわけだ。とりあえず最後尾に並んだが、Mr. Singhがこちらへ来いと呼ぶものだから行ってみると、変な造りのテーブルが一個あって、三人掛けで二人が対面になり、もう一人は壁と対面になる。ウェイターに頼み込んで、その壁と対面になる席に小生を押し込んだ。すでにドイツ人のカップルが座っているので、一応座ってよいかどうか聞いて、座らせてもらった。
左隣の奥の二つのテーブルが運転手のテーブルで、みんなで分け合っていろいろ食べている。そっちの方が、いいなあと思うのだが、この地ではそうはいかない。二つのテーブルも一つはガイドと雇い車の運転手用で、タクシーとRickshawの運転手とはメニューも別。さらに、客が混んで来たので、タクシーとRickshawの運転手は外で食べることになってしまった。
小生は、Saag Chicken(Rs.199)というほうれん草のチキンカレーとTandoori Roti2枚を頼んだ。Rotiの値段はRs.22とあるので、どうみても2枚はあると思ったので、一応聞いてみたら1枚の値段だそうだ。Gulba’sではいつも1枚Rs.3で食べているので、まったく信じられナーイ。おまけに最初に飲み物を聞かれたので、家の水もあと少しだし、水屋も土日はいつ営業しているのか不明なので、ミネラルウオーターのボトルを1本注文した。あとでレシートを見てびっくりのRs.44。市中では、Rs.12ですよ、この水は!小タマネギとチャツネがつく分だけ、カレーの値段が高いのは納得できるのだが、Rotiと水には、ちょっとビックリ。味は美味しいけど、Gulba’sの値段と比べてそんなに旨いか?といつも比べてしまうのは悪い癖です。ただチキンは、タンドリーチキンとかティカ、あるいはカレーならバター・チキンで食べたほうが美味しそうだ。ほうれん草もパニールやコフタの方が取り合わせがよいように感じる。
隣のドイツ人カップルは、ガイドの言われるままに、カレーを5種類と普通のナン、中にチーズの入ったナン、ライスを注文しているが、これを二人で食っちゃうのか?と思いきや半分も食べないで小生より早く退場。その隣のおばさん二人のアメリカ人は、ガイドが何もアドバイスしてくれないらしく、一人がプラオ(一応ピラフではあるが、たいていカレーと一緒に食べる)、一人が何かのカレーだけをたのみ、シェアして食べればよいものを、それぞれ別々に食べて、いかにもひどいものを食わされているという顔をしながら食べていて、やはり大量に残して退場。アングロサクソン(片方はゲルマンか)の食文化には、いつもギョットさせられる。KFCに行くべきだねこの人達は。
駐車場の整理人にチップをRs.10わたして、クトゥブ・ミナールヘ向かう。IHCからでも南西に10Kmほどあるので結構な時間がかかる。30分もかかっただろうか。入場料を払う所で気がついたのだが、外国人登録証を忘れた。インド人料金のRs.10で入れたのかもしれないが、外国人料金Rs.250を払う。ただし、クトゥブ・ミナールは世界遺産に登録されているのでインド人料金で入れたかどうかわからない。
クトゥブ・ミナールは、1193年に奴隷王朝(イスラム)のスルタン、クトゥブウッディーン・アイバクがヒンドゥ王朝に対する勝利を記念して建設を開始した塔で、高さは72.5mもあるそうだ(以上、『地球の歩き方』、『ロンリープラネット インド』より)。となりには、礼拝のためのモスクもある。塔の周辺の建物は、ヒンドゥ人寺院を破壊してその石材で造られたものだそうで、ところどろでヒンドゥの神様の彫り物が残っていたりする。
ここにも子供たちが、学校単位でたくさん見学に来ている。カメラを向けるとたまらない笑顔を振りまいてくれる。この子たちが、いつまでもこの笑顔でいられる将来であればと切に願う。でも一度撮ったらたいへんだ。ほくも、わたしもとカメラの前に押し寄せて来る。三枚ほど撮らせてもらって、撮るたびに出来上がり見せてあげると、たいそう喜んでくれたが、切りがなさそうなので、退散した。
帰り道、例のごとく、店に寄る。今日は絨毯屋。こういう観光地の近辺は、ちょっとやそっとじゃ逃げ出せないように、門の中に店が何軒かある。こっちとさ、ちっとも買う気がないのだが、こいうのはやはり疲れる。あっちも、なんとか売りたいから、いろいろなものを広げるし、「If お前が買うとしたらどれだ」、「おれにifはない」、まったく埒があかない。確かに綺麗なのものをあるのだが、いろいろ調べてみてからでないと手が出せない。 せっかく長期間インドにいるのだから。何とか絨毯屋を逃げ出すと、次の店の人間がやってきたので、Mr. Singhに「Let’s go」と言って退散。
ちょっと車を走らせてもう一軒入ろうとする。「疲れたからもう帰ろう」「いやオレは滅多にここまでは来ないから、もうすこし稼がせろ」「いくらもらえる」「Rs.50」「じゃその分は、オレが払うから、Shakarpurへ直行だ」「わかった」「そのかわり、道端のスナックを食べて帰ろう。お前の知っているところに行こう」。
インド門の近くまで来て、車を止めてスナック屋による。カチューリ(Kasehore、このスペルは怪しい)という、中にジャガイモのはいった揚げ物にピリ辛のカレー・ソースをかけて、グチャグチャにして食べるスナックとチャイを注文。これは、美味い。これだけで食事というには、ちょっと寂しく、たしかにスナックなのだが、Pindiで高い金を払うのなら、ここにあるもの全種類を食べたほうがいい。沖縄のなんとかいう丸いドーナツみたいな形をしたものに似ているバルシャヒ(Balushahi、このスペルも怪しい)という、やはりドーナツのようなお菓子もいただいたが、これも美味い。Mr. Singhの分もあわせてRs.50でRs.10以上の釣りが来る。ただこの釣り銭は、食べ終わった直後に現れた物乞いの老人にMr. Singhが施してしまった。自分の金を施せよまったく!
そのままShakarpurへ直行。時刻は5時半だ。半日付き合ってもらったのでRs.500を支払った。毎週土曜日は、こんな感じだろうか、だけど店によるなら金は払わないと言っておいた。
Qtub Minar
08/11/22
PindiのSaag Chicken(Rs.199)。Saagもほうれん草です。チキンは焼いたものか、カレーならバター・チキンがよいようです。
Qtub Minar(クトゥヴ・ミナール)。1993年に世界遺産に登録されたそうです。
見学に来ていた小学生。たいへんよい笑顔をしています。この子たちによい未来のあることを切に希望します。
でも一度カメラを向けたらもう大変。ぼくも、わたしもと押し寄せてきます。
カチューリ(Kasehore???)。これとバルシャヒ(Balushahi??、ドーナツのような揚げたお菓子)を道端のスナック屋で食べました。チャイと一緒でRs.20。カチューリは、ジャガイモのを入った揚げ物にピリ辛のカレーソースをかけて、グチャグチャになってでてきます。Pindiの食事よりよっぽどコッチの方が美味しいです。
スナック屋での一コマ。右端がMr. Singh。
ときどき英語で、こちらにも話しかけてくれました。