Taj 多事
Taj 多事
2008
今日のメイン・イベントは、Mr. Singhが本当にIHCまで来てくれるかどうかだ。朝もラッキーで、一回乗ったことのある運転手が、見つけてくれて「Hello, Lodhi Road」と呼んでいるので、乗せてもらうことにした。値段を覚えていないので、聞いてみるとRs.80、往きの場合、Rs.60からRs.90の範囲で収まるのだが、ちょっと高めだった。でもこういうのは楽でいい。これで、こちらがHindiを話せれば、もうちょっと楽しくなるのだが。
今日中に、電力部門のサブモデルを仕上げたい。昼は、13時半過ぎにGulba’sへ。腹が病み上がりにもかからわらず、Shungpuri Noodle(Rs.40)とHot & Sour Soup(Rs.40)という刺激の強いものをついつい頼んでしまった。 Shungpuri Noodleは、朱色のスパイシーなソースをたっぷりからめた焼きそば。それにHot & Sour Soupを付けたわけだから、われながらひどい組み合わせだ。ここの焼きそばの味は悪くない。ただし、量が多いので、複数人でシェアしたいところ。Hot & Sour Soupは、大ハズレ。つい目に入ったので、注文してしまったのだが、どこの店で飲んでもSourが足りないのだが、ここのはSourがないに等しい。野菜入りコショウスープというにふさわしい。
5時半にMr. Singhが来ると言っていたので、5時25分に荷物をまとめてTERIを出た。IHCのゲートでは、水色のターバンを巻いたMr.Singhが、こちらに手を振って迎えてくれた。「Oh, you really come!」、「Of course. How are you? You are pretty punctual.」。毎日こうだと本当に助かるのだけど。道を心配する必要もないし、彼の運転は無理がないので、変な緊張感もなくてよい。この時間であるから、どこかで夕飯を食べて帰るのかと勘違いしていたようで、今日はインド門近くのピンディ料理(パキスタン料理)に連れて行ってやるという。昼食が遅いので、この時間にはぜんぜんお腹がすいていないので、そういうわけだと言って、Mr.Singhの家の近くのレストランを紹介してもらうことにする。同じShakarpurなので、休みの日の食事のバリエーションが増えるからありがたい。ついでにMr. Singhの家でお茶を御馳走になることになった。
教えてもらったレストランは、Gaganというpure vegetarianのお店で、Gulba’sより小綺麗な店だ。メニューをいただいて、家に戻ってから見てみると、どの料理にもFullとHalfがあるのが嬉しい。これなら一人で行っても二つの料理を楽しめる。ここにもなぜか中華がある。
すぐ近くが、Mr.Singhの自宅だ。近所に2軒空き家を持っていて、自宅のグランド・フロアーの2部屋も賃貸している。Rickshawの他にバイクも一台もっている。なんと年齢は小生と同じで5月生まれ、「オレの方が、2ヶ月ばかり兄貴だぜ、ガッハッハ」、子供も男の子が三人で同じ。1stフロアーにある家に入ると、Secondary School(日本の中学校)に通う三男が英語で挨拶して迎えてくれた。リビングに通されると、Mr.Singhのお父さんがソファに座っている。ニコニコしながら、ここに座れと指図してくれた。聞いたところでは、元空軍のパイロットで、資産もすべてお父さんのものだという。こんなことを言っては失礼だが、外から見ると何となく汚らしく見えるのであるが、中はとても広く綺麗でビックリした。
Mr. Singhが水をグラスに入れて出してくれた。飲んでいいものかと迷ったが、ミネラルウォーターだというので、遠慮なくいただいた。まちがいなくミネラルウォーターでした。お父さんが、英語の新聞があるから読みなさいと差し出してくれた。目を通すと、2010年のCommon Wealth Gameの選手村の建設の進捗具合によっては、大会の中止もあり得るという、大会委員長の談話が出ていた。New Delhiに関しては、この大会に向けての公共交通機関の整備は、大会のあるなしにかかわらず、欠かすことのできないインフラなので、途中で頓挫するなんてことがないことを願いたい。
Mr. Singhは、ターバンを黄色いものに巻き変えて、チャイとソルティというものを出してくれた。このチャイもどこで飲んでも美味しい。砂糖
控えめで、とても美味しかったです。ソルティとは、まさにスウィーティに対してソルティで、千切りポテトチップがほんの少しと、塩味の小さな豆がたくさん入ったヘルシーな、お茶にそえるお菓子で、これも気に入った。名前を聞いてみたらMixtureだと、そのまんまの答えが返ってきた。こんどスーパーで探してみよう。
Mr. Singhにしてみると、小生から家賃も稼ぎたいというのは見え見えであるが、今の家主のMr. SinhaもMr.Singhも友達だから、家はMr.Sinhaにお願いするんだと話した。ちょっと話して、7時においとますることにして、Mother Dairy Roadに連絡する大通りにつながるマーケットまで連れっていってもらい、見学をしながら歩いて家まで戻った。結構大きなマーケットで、見ているだけでも楽しめる。家まで10分の距離だ。
バナナと水を買って家に戻ったが、どちらもだんだん顔見知りになってきたとみえて、バナナ屋のオヤジは、荷車に近づくなり、こっちがRs.20、こっちがRs.24と言う。というのは、いつもRs.24の方を買ってもRs.20かと小生が聞くので、先手を取られた形だ。水屋のオヤジも「ハロー」と声をかけたら、にっことして何も言わないのに水のボトルを5本を冷蔵庫から出してきた。ついでに釣り銭も用意しておいてくれとよいのだけれど、Rs.100を出すと、いつもどこかにくずしに行く。
今日の仕事のまとめ。
電力部門のサブモデルの実験は終了。
LPを使うことには解が極端なところにはりつくという批判がある。このモデルで実験しても、それはそうである。しかし、これはLPではなくてNLPにしたから解決する問題かというと決してそうではないのではないかというのが実感だ。問題は、いかに制約条件や制約の値の置き方を現実に近いものにできるかだ。電力の場合、実際のオペレーションは、base loadとnon-base loadで使うユニットは分けられ、とくにピーク対応では負荷に応じて起動停止を繰り返すわけだから、それをそのままモデル化することは困難であるし実用的でもない。しかし、季節や時間帯で変動する需要のパターンを無視して、年中均一な需要があるものとしてモデルを解いても、たとえそのモデルがどんな複雑な数学的な装置を使おうとも極端な解しか出ないであろう。その意味でLDCの導入は必要である。LDCを非常にきめ細かく考えれば、解くためのコストが増えるし、そもそもLDCを作るための情報は非常に限られている。今回もグラフから目測でデータを読み取るしかなかった。また、ラフに設定すれば、ピークの部分がならされて、本来稼働していた石油プラントや揚水式の水力が解から落ちてしまうのは理論的帰結にほかならない。
また、base loadユニットのメインテナンスなどforced outageを無視して、完全稼働するとしてしまえば、それだけ他のプラントの稼働を圧迫する。このように制約条件をきちんと設定して行くことが大事で、それができれば最適化や限界費用原理を使わない最も単純なMerit loadingでもそこそこ現実は追えるはずだ。
ということで、実験用のデータを作るのに最も手間がかかり、モデルを解くことはRで簡単にできてしまった。LPモデルにとって電力需要は外生であり、LPモデルが解かれると電力需要を計算した投入係数とは異なる投入係数が内生的に求められる。この両者の整合性が取れるまでイタレーションが必要であるが、それも含めて2秒かからないで解くことができる。この程度の負荷であれば、全体のモデルにいれても足手まといになることは避けられそうだ。
LDCをもう少しきめ細かくすれば、LPモデルでもbetterな解が得られるのではという実感がある。
Mr. Singh
08/11/12