Taj 多事
Taj 多事
2008
5時起床。だんだん調整してきたようだ。今朝のジュースは何だったのだろう。後でMunnaに聞いてみよう。薄いピンク色で、酸味のないグレープフルーツのような味。これも美味い。ガイドブックにはフレッシュジュースも水が入っていることがあるから気を付けた方がよいと書いてあるが、このGuest Houseのは大丈夫のようだ。
9:30にIHCへ出発。Rituに挨拶すると、まだデスクが準備ができてないとのことだ。やっぱり。。。今日使わせてもらったデスクは、荷物が随分と少なくて、誰かが使っているという感じではなかった。たぶん、近辺に座っている人たちは、研究員ではなく、指示されたとおりに表を作ったりすることが仕事の人たちようだ。そこではよろしくないのではと気を遣ってくれているのではないだろうか。この席なら、RituやIllaや仕事を一緒にやりそうな人たちとも近いし、小生としてはまったく問題ないのだけど。
Rituが午後にボトムアップ・モデルとCGEについて議論したいそうだ。得意とするところなので、もちろんOKと返事する。メールをチェックした後は、エネルギーバランス表の作業を続ける。
いつも1:30を過ぎてからランチに出る。でもいつも混んでいる。今日は、午後何時からDiscussionを始めるのか不確定なので、1:00にEatopiaに向かう。なんとがらがら。どうもこちらの人たちの昼食時間は1時に始まるようだ。日本の感覚で1:30なら空いているだろうと思っていたのだが、1:30だとちょうどみなさん誘い合わせてやってくる時間のようで、1:00ならラッシュアワー前で空いているようだ。今日は、Veg. Thali(120Rs)。
4時からRituともう一人の若手研究員(申し訳ない口で言われただけでは、あなたたちの名前を覚えることができません。今度書いてね)とDiscussion。Rituのグループは、NCAERという研究所と共同研究をしている。NCAERは、2015年までのシナリオ分析をCGEで行っている。一方でTERIは、エネルギーシステムの費用を最小化する技術の選択をMARKALによって算定している。NCAERのモデルで経済全体について、TERIのモデルでエネルギー部門の詳細について、それぞれの結果を整合的連結して(モデル自体を連結するのではない)まとめたいのだそうだ。二つのモデルを比較すると、人口、GDPは同じなのであるが、部門別の結果が相当に異なる。TERIのモデルではGDPは外生変数で、政府の計画にあわせて年8.5%の率で成長する。NCAERのCGEにとっては、GDPは内生変数であるが、およそ8.5%の成長になるように外生変数を調整しているのだろうと言う。NCAERからTERIには、モデルで解かれたGDPとその分門別内訳の時系列だけ知らされているだけなので、議論しようにも限界があり想像の上に想像を重ねることになる。もちろん経験に基づく想像ではあるが。
典型的な違いは、2015年における農業のウエイトだそうだ(付加価値ベース)。NCAERのCGEで4%、TERIの予測では11%。
それぞれのモデルの背後にはストーリーがあり、そのストーリーの違いがこの結果をもたらしたはずであると、Rituは言う。もっともだ。はたしてCGEの背後にあるストーリーは、どのようなもであるか、これを小生に聞きたいという。やっぱり、どこの世界でも問題点は同じである。
TERIのモデルにとって人口、GDP、部門別用途別のエネルギー需要は外生変数である。エネルギー需要と部門別の付加価値は、人口、GDP、エネルギー価格、農村から都市への人口移動などを説明変数とする回帰モデルで予測されているとのこと。これらとエネルギー種別の供給量を制約としてMARKALモデルにインプットして、エネルギーシステムの費用が最小になるような技術を選択させている。よってTERIのストーリーは、外生変数の推移に関する理由付けと、MARKALにインプットする技術の選択肢ですべてである。
一方、CGEにとっては、外生変数と構造方程式のパラメターがすべてである。あとは一般均衡理論と整合的な解が、これであるとしかいいようがない。CGEにおいてGDPが政府の計画どおりになるように解かれているということは、部門別の生産関数の技術進歩率に関するパラメーターについて相当に鉛筆を嘗めたに違いない。とくに二つのモデルで同じ国民所得から支出される需要をまかなうために、一方では農業部門のウエイトが4%ですみ、片方では11%も必要だということは、前者においてエンゲル法則によって食糧需要のウエイトが急激に減少しているか、農業部門の生産性が急激に上昇している、あるいはその両者であろう。ただエンゲル法則が効くようなノンホモセティックな消費者選考を採用しているかどうかははなはだ疑問である。情報が限られているから、この程度のことしか言えないのではなく、方程式、パラメターそして外生変数のリストと値が与えられても、上記のことを確認できるのがせいぜいだろう。つまり結果として得られた各生産部門の投入要素の組み合わせが、現実のどのような技術が採用された結果であるのかということには何ら言及できないのである。生産技術は、生産関数のパラメターで表現されているという、わかったようで、何も分からない答えしか与えることしかできないのである。
Rituたちには、部門別のエネルギー需要と内生的に求められた投入係数を入手して、自分たちのものと比較してみるべきだと進言した。もう少し、まともなことがわかるかもしれない。
そもそも小生がCGEのようなモデルに対する興味をだんだんと(急激に?)失い、IOをベースとするモデルへと回帰したのは、上記の理由による。MARKALのような最適化モデルとIOモデルは両立するはずであり、家計のモデルとのリパーカッションも取り入れたモデリングはもちろん可能である。インドの現状を考えた場合には、ruralとurbanの違いと労働市場をどう考えるかがキーとなる。少し具体的に考えて、これから作成するEIOをベースにモデリングすることを提案しよう。
長男が、憧れる中堀選手の絵をかいてソフトテニスマガジンに投稿したものが、採用されたそうな。大賞は逃したようだけど。次は、プレーで載るように頑張ってください。後日(10/5)に電話がかかってきて、絵の応募がラケットの抽選の応募にも自動的になっていて、ゴーセン賞に当選してラケット1本Getととのことである。それは、おめでとう。二男がひがむので、いっしょに使うように。
やっぱり...
08/10/01