2011

 
 

バイオガスの原料は,農家で飼育されている牛の糞です。これまでは,女性達が牛糞を手で丸めて牛糞燃料(Dung Cake)を作っていました。バイオガス プラントのある農家では,女性はこれらの燃料収集作業から解放されます。

Floatingタイプのバイオガス プラント。このタイプの発酵槽はインドで開発されたそうです。Fixed domeに比べて高コストですがガス漏れの危険は少ないそうです。左の投入槽に毎日決められた量の牛糞と同量の水を入れます。Slurry(泥)化した牛糞は,真ん中下の発酵槽(Digester)でバクテリアによって分解され,上のガス ホルダー(Holder)に溜まります。ガス ホルダーの上部からパイプが出て,これが家屋まで引かれています。牛糞残渣は右側の槽に移されます。この農家では,slurry状の残渣を堆肥にしてから,畑の肥料として使っています。

ガス ホルダーの上部から出たパイプは,このガスコンロにつながっている。実際には火が出ているのだが,この写真では見えない。

Floatingタイプのバイオガス プラントを見せてくださった家族のみなさんです。みな笑顔で迎えてくれました。

Fixed domeタイプのバイオガス プラント。奥が投入口で,真ん中が発酵槽,手前が液肥槽。発酵槽の頂上から出たガス パイプが家屋につながっているのは上のものと同じ構造。このタイプの発酵槽は中国で開発され,floatingタイプのものに比べて低コストで作れるそうです。

この農家では電灯にもバイオガスを使っています。けれど,訪問したときには火が灯りませんでした。こういう事態にどう対処するかもHPPIの大事な仕事のようです。

Fixed domeを見学させていただいた家族の一部です。この家も3世代が暮らす大所帯です。