Taj多事
Taj多事
2011
今日は,JanamashtamiというKrishna神の誕生日で休日,おまけに月曜日ということでNational MuseumやLal Qilaなどの観光地も休みでだ。もともと今日はTERIを訪問しようと計画していたのだが,Rituからの「休日なので別の日して」という返信でその事実を知ったわけだ。
実は今インドでは,Anna Hazareという社会活動家が汚職撲滅を訴えて16日から断食に入っている。Annaが断食を予告した時点でインド政府は彼を逮捕したが,民衆と政府内の反発で即刻釈放された。以来,New Delhi駅にほど近いRamlila Maidanで断食に入り,それを支援する民衆(Team Anna)がそこにデモのような形で押しかけ大変な騒ぎになっている。Annaは,非暴力による汚職防止運動を呼びかけ,Lokbal(汚職防止法案)を国会で通すように政府に要求している。断食や非暴力という方法が似ているからであろう,Annaは「現代のガンジー」と慕われている。
セナさんもぜひ一度Annaを応援に行きたいと考えていたというので,今日はRamila Maidanへ行くことにした。セナさんの息子で高校3年生のバッビーも学校帰りに友達を連れ立ってAnnaの応援に出かけるそうだ。学生とは12:00にホテルで待ち合わせにした。
出かける前にSmile Innの近所を30分ほど散策してみたが,以前と全然変わっていない。つまり,依然として汚い・・・Smile Innに戻っていざ出かけようとすると,セナさんに急な仕事ができて,われわれだけで行くことになってしまった。セナさんは今,日本の某損害保険会社のDelhi agentをしていて,急遽日本人が入院することになったので,その関係でGurgaonまで行かなくてはならなくなったのだ(あとで聞いた話では,その日本人はデング熱に襲われたそうで,輸血などの手続きで大変だったそうだ)。
11:30に次男とSmile Innを出発して,Laximi Nagar駅からKarol Bagh駅まで20分ほどBlue Lineに乗り,15分歩いてBharat Palaceに到着。16人で再びKarol Bagh駅に戻り,Rajiv ChowkでBlue LineからYellow Lineに乗り換えNew Delhi駅へ。そこはAnnaの支援者が一杯でものすごい混雑だ。Ramila Maidanなる場所には行ったことがないので,支援者達の後についていくしかない。New Delhi駅を出ると,Anna支援キットーインド国旗,リストバンド,襷,帽子などーを売る道端商売人たちが軒を並べている。そのあたりの商魂はたくましい。
いつのまにかRamila Maidanの近くまで達したようだ。そこからはバリケードに囲われたRamila Maidanの中に入っていかなければならないようだ。その入口にいたったときに,そこをコントロールしている警官に入口とは反対方向に誘導された。外国人だからかと思ったが,外国人でも中に入っている人がいるので,もう一度トライしてみるとなんということもなく入ることができた。インドではよくあることである。
ここからさらにセキュリティチェックを受けてRamila Maidanの中に入ることができる。とにかくものすごい人ごみで,スローガンを合唱しながら揉み合い圧し合いながら進んで行く。ここでわれわれの集団も小生と次男を含む7人と9人に分かれてしまった。われわれ7人が先にいたので,セキュリティチェックを終えたところで後方の9人を待ったが一向に現れないので,Ramila Maidanの中へと進むことにした。後で聞いたところによれば,9人は雑踏に耐えきれずホテルに戻ったそうな。
Ramila Maidanは大きな何もない広場である。はるか前方に,Annaが断食を続けているステージが設けられ,その前方に支援者が座れるようにテントがかなり広いスペースに張りめぐらせている。そのステージに向かって歩を進める途中でバッビーとその仲間達に遭遇。彼も相当に興奮していて”Thank you for supporting us!”と大声をはりあげながら学生たちとやたらに握手をかわしていた。
この日のDelhiの最高気温は37℃で,雑踏の中での体感気温ははるかに40℃を越えているような感じである。いたるところでビニールや封をされたカップにはいった飲料水が無償配布されている。持参したミネラルウォーターはとっくに飲みきってしまったので,配布されている水が「大丈夫か?」なんて迷っている余裕はない。飲まなければ熱中症になることまちがいなしだ。
ステージ前まで進むと,ガンジーの肖像画を背景にしたステージの前で誰かが演説している。ステージの前とはいっても,ステージまではかなりの距離があり,Annaの姿を確認することはできない。インドの人々は,この空間にいることで汚職撲滅のAnnaの闘争を共にしていることを実感しているにちがいない。残念ながらすべてヒンズー語なので,何を話しているのか全くわからないが,その熱気たるや,われわれ最近の覚めた日本人には経験したことないものである。
出口で配られていた飲料水とバナナをいただき,New Delhi駅へ戻る。Rajiv Chowkで降りてConnaught Placeでランチを食べることにする。少しばかり探索しようかと思って歩き始めたが,とても暑いので,目の前にあらわれたSaravana Bhavanに突入。ここは南インド料理でインド人にも人気の店で,昼時は長蛇の列になる。すでに時刻は3時を過ぎているので,テーブルの後片付けが済む間待たされただけで,すぐに座ることができた。みなTari(大皿定食)を頼んだので,南インドの代表的スナックであるMasara Dosa,Onion DosaそしてIdliを適当にたのんで味わってもらった。南インド料理の典型的な味ともいえるSambarは,少々の酸味もあり好き嫌いが多いかもしれない。いかがだったであろうか。
雑貨が買える土産物屋がないかというので,Indira ChowkからJan Pathに入ったところに並ぶ土産物屋街までConnaught沿いに少々歩く。Jan Path沿いを少し歩いた右手にある雑貨店街は,おそらくDelhi以外から来たインド人たちにも人気のスポットだ。ここまで学生を連れて行き,小生と次男はメトロでLaximi Nagarに戻った。
暑さと雑踏でとても疲れていたが, 水と朝食のパンを買いにV3Sまで歩く。ヘトヘトの次男は,AutoかRikishawに乗ろうと訴えるが,立ち小便をしないこと,ゴミのポイ捨てをしないこと,そして歩くことは,小生のインド生活におけるモットーなので,とにかく歩く。とは言っても,雑踏といばりくさってHornを鳴らしまくるバイクと車がいなければ10分の道程である。
明日の朝は早いので,日本から持参したもので簡単に夕食を済ませ,水浴び,そして洗濯をして,早々に寝る。
Delhiの気温
最高気温 37℃
最低気温 29℃
平均気温 33℃
Anna’s Movement
11/08/22
Smile Innの近所を散策しました。以前とまたっく変わっていません。まるでゴミ中に暮らしているようです。こういうのもスラムっていうんでしょうね。
Ramila Maidanで現代のガンジーといわれるAnna Hazareの汚職撲滅のために続けている絶食を支援する人たち。最高気温37℃の中,スローガンを合唱しながら行進する熱気は日本では経験したことがありません。
奥のステージ上でAnna Hazareの断食が続けられています。その姿を見ることはできませんでしたが,ステージの上では応援の演説が行われていました。
New Delhi駅に貼られたポスター。
インド,この国では救急車と警察よりも宅配ピザに方が速く家に届く国である。つまり救急車と警察は,袖の下をもらわないと仕事をしない。
インド,この国では車を買うためのローンの金利は8%ですむが,教育ローンには12%もの金利を払わなければならない。
インド,この国ではオリンピックで金メダルをとった射撃手には政府から3千万Rs.も支払われるが,その他の射撃手は汚職とテロとの闘いで死んでしまうのである。
最後の一行はヒンズー語でわかりません。