Taj 多事
Taj 多事
2010
今日もKarim’sへ通うつもりだ。どうしても食べたい一品がまだ残っている。インドの生活も残すところ1ヶ月になってしまったが,何が悲しいって,この美味いインド料理が食べられないことだ。本当に,みそ汁とあったかい白いご飯が食べたいとか,ちっとも思わない。毎日,昼頃になると何を食べようかな〜と,楽しみなってくる,インドのインド料理がない日本の生活を想像すると実に虚しいのである。
4時頃には仕事を終えようと思っていたが,結局TERIを出たのは5時過ぎになってしまった。外に出ると,正直言って暑い。今週の水曜と木曜は,ヒンズー教のローリーという1年の収穫を祈る祭りで,太陰暦ではローリーを過ぎると一気に春になると言われているそうだ。まさに太陰暦恐るべしで,今週初めの家の中でも凍えそうな気温から一気に歩くと汗だらだらの暑さに変わってしまった。このまま暑いのかどうかはわからないけど,毎日の気温の推移を観ても,水曜を境に高くなる傾向にあるのはまちがいなしだ。極めて科学的な太陽暦に比べて,太陰暦には生活の経験に基づく知恵がふんだんに含まれているのだろう。
Rajiv Chowkまで歩き,イエロー・ラインでChawri Bazaarへ向かい,Gete No. 3から外に出る。前回の帰りにKarim’sから駅へ向かう道に一番近い入り口がGate No. 3だったので,ここから出てそのまままっすぐ行けばKarim’sに着くはずである。それでもジャーマ・マスジッドが見えるまでは不安がつきまとう。しかし,今日は正解。一発でKarim’sにたどり着きました。
今日は,これまでで一番混んでいる。入り口で待っている客に混ざって,ウエイターに一人であることを告げる。ここの店には,二つのタイプのウエイターがいる。ユニフォームの色で分けるとエンジとウグイス色で,エンジのウエイターが仕事の上では格上で,客の誘導,注文取り,料理をテーブルに出すこと,勘定を受け持ち,ウグイス色は,テーブルをかたし,水を出し,料理をテーブルの手前まで運ぶのが仕事である。前にも書いたが,Karim’sには4つの部屋があるのだが,エンジ・ウエイターは各部屋に一人しかいないのだ。
エンジ・ウエイターの仕事は驚くほど優秀である。各部屋に30人ほどの客がいると思われるのだが,来客順,注文を全て覚えているのだ。メモなんか絶対にとらない。
そんなこととも知らずに,客の中には例のごとく何食わぬ顔で,入り口で待っている客など無視して,空いた席に勝手にすわる輩が無視できないほどいる。「あー,またか」と半分諦めた気持ちになる。30人の客を一人でしきるわけだから,たとえ座ったとしても注文を聞かれるまでには時間がかかる。割り込んだ家族が座っているテーブルへエンジ・ウエイターが行くと,入り口を指さしながら,「あなたたちは並んでいないから,この席を空けてください」ときっぱりと言う。家族の長と見られる父親は階級を傘に抵抗を試みているようであるが,ここはモスリムの店であり,ヒンズー教の時代遅れの階級なぞ関係ない。いやいや家族が立ち去ると,並んでるわけでもない待ち客をちゃんと来た順でテーブルに誘導するから驚きである。
小生が座ったテーブルには6人が通され,小生が1番。注文も来た順に聞き,6人の注文を一度に聞き,料理も来た順に出される。チャンドリー・チョークといういかにもインドの渾沌を代表するような雑踏の中にある店であるが,このウエイター達が身に付けている秩序は別の国に来たのではないかという錯覚に陥るほどである。
さて,どうしても食べたかったのが,Mutton Burraという山羊の丸焼き。この店では予約しておけば,一匹まるまる食べられるのだが,普通は小分けにした4ピースのハーフか8ピースのフルを注文する。4ピースのハーフを注文(125ルピー)。それとこの店のSeekh Kababも有名で,嬉しいのは1ピースから注文できることだ。1ピース注文(27ルピー)。特に評判というのではないのだけど,過去2回の来店で他の客が食べていたChicken Biryaniがやたら旨そうに見えたのでハーフを注文(120ルピー)。それといつものRoti(6ルピー)。噂のMutton Burraにかぶりつく。やばいっす。スパイシーでジューシーで。これまで口にしたインド料理で最高かもしれない。これからもデリー来たら,これを食べずには帰れないと思います。Seekh KababもChicken Biryaniもグーで,もう大満足で帰途につきました。
1/16のデリーの天気予報 最高気温17℃、最低気温6℃、晴れ
1/16のデリーの天気 最高気温20℃、最低気温4℃、平均気温12℃
1/16の東京の天気 最高気温7℃、最低気温2℃、平均気温4℃
またまたKarim’s
10/01/16
Karim’sのMutton Burra。山羊の丸焼きなんですけど,ジューシーでスパイシーで,どうしようもなく美味いです。一等賞をあげたくなります。これからもデリーに来たら,これを食べる時間をなんとしても作らないといけないと思います。