Taj 多事
Taj 多事
2009
昨日,インドの気候変動諮問委員会(Council on Climate Change)でマモンハン・シン首相は,エネルギー効率の向上に関するナショナル・ミッションを承認した.2015年までにエネルギー消費を年率で5%削減し,年100万トンのCO2を削減するために,7500億ルピーをエネルギー効率の向上のために配分するという.このミッションは,気候変動に関する国家行動計画(National Action Plan on Climate Change)に掲げられた8つのミッションのうち2番目のもので,すでに先月,太陽エネルギーに関するミッションが承認されている.
このミッションの目的を達成するために,PAT(Perform, Achieve and Trade)という仕組みが導入されようとしている.これは事業所や事業所のユニットごとに省エネルギーの目標を定め,それが達成できたら証書が与えられる.この証書は市場で取引する事が可能で,目標を達成できなかった事業所は,この証書を購入することによって生産活動に従事できるよになる.目標も達成できず,かつ証書も購入しない事業所にはペナルティが課されるという仕組みだ.日本のトップランナー方式に,市場メカニズムを導入したような仕組みで,このような仕組みは世界でも初めてである.
一方,経済計画では,今後10年間,年率9%の成長を目標にしている.経済計画と気候変動行動計画の整合性が気になるところで,科学的なメスを入れなければならないだろう.この国には,電気のない生活を余儀なくされている人達が3億から4億いると推定されている.この人達が電気のある生活を送り,灯油の燃焼による家庭内公害から解放され,子供たちに教育の機会が与えられるようになるためには,インフラの整備も含めて,エネルギー消費の増加は避けられないだろう.それによって排出される温室効果ガスは,これらの人達が生きるためのコストとして認めないわけにはいかないだろう.ただコストは少なければ少ないほどよいわけだから,技術,制度に関する国内の取り組みだけでなく,国際的な協調が重要になってくる.
12月には,コペンハーゲンで開催される第15回国連気候変動枠組条約締約国会議(通称,COP15)にオブザーバーとして出席する予定である.COP15の一つの焦点は,インドや中国などの開発途上の新興国を京都以後の枠組みにどのように組み入れるかである.その際,貧困の問題がどのように考慮されるかに注目してみたい.せっかくのチャンスだから,ちゃんと勉強して行かないといかんなー.
8/25のデリー天気予報 最高気温33℃、最低気温26℃、雨
8/25のデリーの天気 最高気温31℃、最低気温25℃、平均気温28℃
8/25の東京の天気 最高気温27℃、最低気温23、平均気温25℃
コペンハーゲンに向けて
09/08/25