Taj 多事
Taj 多事
2009
今日は,帰りにコンノート・プレースまで歩いてメトロに乗ってシャカルプールへ戻ろうと思う.今日は,土曜日なのにインターネットの繋がりがよくない.実は,本日は総選挙の開票日で,みんな一斉に開票速報をインターネットで確認しているらしく,回線が混雑しているらしい.いつものように,メールを読むことと,為替レート,気温のチェックだけをすませて,インターネットへの接続は控えよう.
これまで気がつかなかったのだけど,毎日見ている天気予報のサイトには,時間別の体感気温という情報もある.そこには,ちょうど昼間の時間帯の体感気温が46℃とか47℃と書いてある.実際の気温が40℃で体感気温が47℃.この7℃の差は何なんだ.温度は間隔尺度であるから,差に意味がある.「今日は昨日より5℃も気温が高いんだ.どうりで暑いはずだ,」なんてことはしょっちゅう言うけど.インドのこの熱さの中では,空気が熱いので,風でその空気が撹乱されると,涼しく感じるのではなく,余計に熱く感じる.でも6℃も7℃も違うってどういうこと?とっても熱いから外に出るときには注意しなさいということかしら.
そもそも体温より熱い気温なんて,日本でもたまにしか経験しないし,風呂のお湯より外の方が熱いなんてわけのわからない経験はしたことがないんだから,47℃なんて言われても,ぜんぜんピンと来ない.ただ外に出ると「参った」というだけである.日本でも,夏に焚き火をしている傍とか,溶鉱炉とか焼却炉の傍とか,空気が熱いと感じることがあるけど,それが全部なので,逃げ場がない.風が吹けば,まさに熱風炉.鉄だって溶けちゃうじゃないかと思うほどだ.ペットボトルの水は,30分も経つと完全にお湯になっているし,蛇口をひねっても何の燃料も使わなくてもお湯が出てくる.凄いっていえば,凄いんだけど.
さて,コンノートまで歩くのは初めてなので,4時過ぎにTERIを出発した.でもこれが大失敗.まだまだ熱かったのです.体感気温は40℃といったところでしょうか.いつもTERIを出る5時半ぐらいは,歩く分には熱さは感じないのだけど,この1時間半の差で気温がずいぶんと変化するんだ.おまけにインド門からの道を1本間違えて,気がつけばまたインド門・・・もう間違えたくないので,乗りもしないリキシャの運転手に道を確認しながら,やっとコンノートへ.1時間半もかかってしまった.まっすぐ来れば1時間だな.飲んだ水も2リットル.でも,Janpathをコンノートに向かって北上する通りは,いろいろな店が並んでいて楽しい.
さて,インディラ・チョークからラジブ・チョークへと親子2代の首相の名前がついた通りをパリカバザールを横目に抜け,メトロの駅(ラジブ・チョーク駅)へと降りると,そこは別世界.外の混沌とは打って変わって近代的な地下鉄駅の空間が広がっている.セキュリティ・チェックが少々面倒であるが,たいした時間ではない.
チケット売り場で,トークンを買う.ヤムナ・バンクまでRs. 9.Rs. 20ぐらいするのかと思っていたが,予想外に安い.改札は,スイカのようなシステムが出来上がっていて,カードを持っている人はまさにスイカのようにタッチして改札を抜ける.トークンの乗客もトークンをタッチして改札を抜ける.降りる駅では,このトークンを入れると改札が開く.トークンは何度も使えるわけだから,紙の切符よりも省資源な方法だ.
ホームへ入ると,そこはボストンのダウンタウンの中心のパーク駅を思い出させる空間だ.いまのところレッド・ライン,ブルー・ライン,イエロー・ラインの3路線があって,それ全体を見渡せる広い空間だ.路線の名前の付け方もボストンと同じ.駅全体が清潔で綺麗で,車両も日本の最新車両を思わせる車両で,シルバーの車体に赤,青,黄色のラインが入っている.ニューデリーのメトロの開発には,日本企業も協力しているから,この車両は日本製かもしれない.
小生が乗るのはブルー・ライン(ボストンでダウンタウンとケンブリッジのハーバード・スクエアを結ぶのはレッド・ラインだった).ヤムナ・バンクは出来たばかりなので,行き先を示す看板にはまだ名前がないので,駅員にホームを尋ねると,大変丁寧に教えてくれた.車内も綺麗.土曜だからだろうか大変空いている.ヤムナ・バンクの一つ手前の駅(Indraprastha)での停車時間が長かったのと,ヤムナ・バンクに入るのに少々時間がかかったので,コンノートから15分弱の時間がかかった.この停車時間がなければ10分というところだ.
Indraprasthaを出てヤムナ河を渡るのであるが,河の手前にはIndraprasthaという大きな発電所がある.その脇には,これまで見た事ない巨大なスラムが広がっている.いったい何人の人がここで暮らしているんだろう.先進国以上のメトロのシステムと,メトロから見えるこの目の前のスラムの両方が,現在のインドをまさに象徴しているようだ.
ヤムナ・バンクは地上駅(コンノートから3つ目のPragati Maidanから地上に出たと思う).駅の外は,広大な駐車場になっている.すでにそうとうな数のバイクが駐車してある.つまり,ここまでバイクあるいは車で来て,ダウンタウンにはメトロで向かうという都市型かつエコ的な生活パターンが出来つつある.
ヤムナ・バンクからセナさん宅までは,いま工事中の大通りを渡す陸橋が完成すれば徒歩で10分弱.大通りをインド式に無理矢理横断しないで歩くと,たいそう大回りをしなければならないので20分ほどかかる.今日は,ちょうど駅を出たところで,「ラクシュミ・ナガル,シャカループールはこっち」というメトロの会社のバスの呼び込みをやっていたので,それに乗ることにした.えっ,Rs. 5?メトロそのものに比べたら,こんなお粗末なバスでずいぶんと高いじゃないの.すぐ出発するのかと思いきや,20分ほど混雑して熱いバスの中で待たされた.そして5分も乗らないで下車.もちろん飛び降り・・・こりゃ歩いた方がいい.どの出口を使ったらよいかもわかったし.
もう決めた決めた,帰りはメトロにしよう.家で地図を確認すると,インド門の北1km弱のところにマンディ・ハウス(Mandi House)というコンノートから2つ目の駅がある.ここまでなら,いま歩いている工芸博物館までの距離と変わらない.これで帰りの時間をMr. Singhの営業時間に制約されることなく自由に使えるし,行動範囲もずいぶんと広がる.
明日もコンノートまでランチを食べに行ってみようか.ボストンでも車を持つ前は,レッド・ラインに乗ってチャイナ・タウンまでよく食べに行ったものだ.
5/16のデリー天気予報 最高気温41℃、最低気温30℃、晴れ
5/16のデリーの天気 最高気温40℃、最低気温29℃、平均気温34℃
5/16の東京の天気 最高気温19℃、最低気温14℃、平均気温16℃
初メトロ
09/05/16