Taj 多事
Taj 多事
2009
熱くて3時に目が覚める.冷房をつけて二度寝をするが4時にまた目が覚める.時差ボケと熱さの相乗効果.8時に家を出て,いつもの「オジさん」のリキシャでIHCへ.オジさんまだ着替えが終了していなかったようで,運転席の下からユニフォームを取り出して,急いで着替えている.8時25分着席.
オフィスで昨日の天気を確認する.うわー,きのうの最高気温はついに40℃に到達したのね.最低気温が25℃で,一日の平均気温が32℃じゃ熱いよな〜.日本ではめったにお目にかかれない40℃,そう簡単に到達するなよという感じ.
日本に帰国する前は,水曜と土曜は歩いて帰宅することにしていた.こう熱いと悩むところだが,一度はトライしてみよう.このまま数ヶ月も筋肉に刺激を与えないのは老化を招くだけだ.幸いなことに,体感温度はきのうより熱くない.5時15分に冷水を入れたポットを片手にいざ出発.大丈夫だ.地べたを這う犬のようにゼーゼーしてしまうなんてことはない.
こっちとさ,都合が悪くなったらリキシャを拾って楽すればよいのだけど,道端で生業を立てている人達は大変だよなー.朝のうちは新鮮なフルーツも,この時間にはドライ・フルーツになっちゃうんじゃないかと心配しちゃうよ.商売している人達もミーラにならないとよいけど.
使う筋肉を意識して,なるべく大きく動かしながら,ノシノシ歩く.さすがにこの歩き方だと,最後には足が悲鳴をあげているけど.1時間45分かからずに到着.この歩き方,羽田空港で手に入れた,クルム伊達公子選手のトレーナーである中野ジェームス修一著『体が若返る10の生活習慣 頑張らない,無理しない,簡単エクササイズ』(ソフトバンク新書,2008年12月)の影響.変な健康食品には手を出しませんが,体を動かす系には影響されやすいんです・・・ただ,筋肉や骨の衰える仕組みについてはなるほどと勉強できます.
近所の水屋で水を調達して家に入る.水屋さんでは,昨日も今日もいつものオジさん(リキシャの運転手ではありません)の奥さんと思われる女性が店番をしている.なんとオジさんよりRs. 10安く売ってくれた.どういうこと??
さっそく,着ていたものを洗濯しながらシャワーを浴びる.シャワーの水の蛇口からはぬるま湯が出てくる.いつまでたっても冷たくならない.電気代の節約にもなるし,ちょうどよい湯加減(水加減?)なので,そのまま水の蛇口から出てくるぬるま湯を使う.
昨日スーパーで調達したタマネギとトマトをみじん切りにして,ニンブーとダールに混ぜたものをあてに,キングフィッシャー・ストロング・ビールをいただく.最高!!トマトは1個1.6円,タマネギは1個3.4円.自炊すれば食費は本当に安くつくと思います.ここには,レンジがないので熱を加える調理はできないのですが,切るぐらいはできます.
2時間経っても頭からは汗がぜんぜん退かない.でも洗濯物はもう乾いちゃった.すごいぞ,自然の乾燥機.
11時頃,睡魔が襲ってきたのでベッドルームの冷房をつけようとしたが着かない.どうやらまた停電のようだ.セナ家の自家発装置は,停電時に照明と天上の扇風機だけが使えるようになっていて,その他のTVや冷蔵庫,冷房には電気が来ない.回復するまで,リビングのソファで本を読みながら待つが,うたた寝・・・何時から停電だったのかわからないが,目覚めた11時半には回復していた.
昨日カルティックが鉄鋼業を問題にしたので,鉄鋼業について少し勉強.ある産業のエネルギー消費を理解するには,その産業の生産技術と産業組織を理解することが重要だ.変に日本に関する知識を当て嵌めようとすると大変な間違いをおかすことになる.経済学の世界では,技術は普遍的で,すぐに伝播するから,技術はどこの国でも共通だ,と仮定される.違いがあるとすると,無限に存在する技術メニューから,まるで籤でもひくように,確率的に技術が抽出された結果だという議論が当たり前のようにまかり通っているけれど.アジ研のY君から持ってきていただいた,佐藤創「経済自由化以降のインド鉄鋼業の変容」(内川秀二編『躍動するインド経済ー光と陰』,アジ研選書No.2,アジア経済研究所,2006年,218-241頁)などを読んでしばしお勉強.
やはり日本の産業組織とはたいそう様相が違う.高炉ー転炉/平炉ー連続鋳造ー圧延という日本によく見られる一貫製鉄所はすべてSAIL(Steel Authority of India Ltd.,インド鉄鋼公社)の傘下にある国営企業5つしかない.鉄鉱石を還元炉で直接還元する還元鉄の生産が盛んで,還元炉に天然ガスと石炭が直接投入される.鉄鋼業への天然ガスの投入は日本では観察されない.還元鉄は電気炉ー圧延工程を経て鉄鋼製品に加工されるが,電気炉として,日本でも多く使われている電気弧光炉と,小規模企業に使われている電気誘導炉の2種類が使われている.1990年代の経済自由化以降,電気炉に生産が伸びているが,SAILの統計では電気炉への電力投入量を把握することができない.自動車などに使われる高付加価値の鉄鋼製品は,韓国,日本,ドイツなど鉄鋼先進国から輸入されている.これらの諸点が,きのうのカルティックの疑問と大いに関係している.SAILの統計は,傘下の企業については詳細な技術情報が企業別に満載で,モデリングに役立ちそうなので,しばし眺めてみよう.また寄り道・・・
4/15のデリー天気予報 最高気温37℃、最低気温27℃、晴れ
4/15のデリーの天気 最高気温38℃、最低気温25℃、平均気温32℃
4/15の東京の天気 最高気温23℃、最低気温15℃、平均気温19℃
熱いけど歩いてみる,洗濯物がすぐ乾く
09/04/15