Taj 多事
Taj 多事
2009
例のごとく「じゃーなー」で7時20分に家を出る.三男は,寝てるところを起こされて,きっと何がなんだかわからないだろう.今回は,4月に入学式と入園式がダブルブッキングされているとかで,4月2日にもう一度帰国するので,ちょうど1ヶ月のお別れ.7時27分発の高崎線で赤羽まで,京浜東北線に乗り換えて日暮里に行き,8時45分発の京成スカイライナーで成田空港第2ターミナルへ.JRの佐倉駅近辺で事故があり成田エクスプレスが運休で,京成が振替輸送を受諾したので,船橋でしばし停車し,8分ほどの遅れが出た.最も北側のAir Indiaのカンターは,えらい混雑で4重の列.チェックインが完了したのが10時半.搭乗は11時20分の予定.搭乗口も一番端の88番.例のごとく,搭乗口の手前でボディチェックと手荷物検査を受ける.出発予定自国が11時50分に繰り上がっている.へー,早くなる事があるんだ.風の具合で運行時間がかかることが予想されているのかもしれない.それにしても成田まで来る足に支障が出ているときに,出発時間を早める判断をするとは,さすがAir Indiaだ.セナさんに電話して,車の手配をお願いしようと思ったが,つながらない.家に電話して,セナさんへの連絡をお願いする.予定通り,11時20分の搭乗開始.だけど全員乗り終わったのは12時半・・・
どうも朝から,腹がしくしく痛む.症状的には,あたちゃったていうやつでしょうか.離陸して3時間くらいはトイレとの間を往ったり来たり.食環境が変わると,腸がそれに即座に対応できず,そういう症状になるそうだ.つっ,つまり,日本食に腸が対応できなかったってわけですか・・・体が,インド人化してるってことですか・・・機内食のインド料理は,普通に食べられましたけど・・・デリーに着くまでには,すっかり回復.
座席は,エコノミーの前から2列目.1列目の前は壁で,赤ちゃんのベッドを備え付けられるようになっている.左,中央,右すべての列にベッドが備え付けられた.前から3列目まで,見渡すかぎり全部インド人(小生は日本人です)で,赤ちゃんを含め小さな子供がたくさんです.おもしろいのは,もともと知り合いというわけではないのに,赤ちゃんの授乳や離乳食を食べさせるなど子供の面倒を,手の空いている大人が共同でやるんです.つまり,回りにいる15人くらいが瞬間的に家族になっちゃうんです.プライベートがないっていえばないんだけど,もともと飛行機の中でプライベートを期待するならファーストクラスに乗ればいいんで,この困ったとき,大変なときはお互い様が普通にできちゃうのはすごいですね.
機内で,青山 潤『アフリカにょろり旅』(講談社文庫)読了.これはおもしろい.東京大学海洋研究所行動生態研究室に所属する著者がアフリカでラビアータというウナギのサンプリングをしたときのエッセイである.安全にサンプルを採取して帰国するのが本来の姿であるが,筆者の筆の旨さも手伝って冒険談のごとくに仕上がっていて,あっと言う間に読めてしまう.面白いだけでは,なくてこの手の研究の面白さも十分に伝わってくる.ウナギははるか2000kmかなたのグアム島の近辺で産卵し,回遊して日本までやってくるのだそうだ.これを15年ほど前に突き止めたのが東大海洋研究所の塚本勝巳教授のウナギ・グループだそうだ.その調査方法がすごい.台湾でウナギを捕まえて,若いウナギがいる方向に30年間捕獲と移動を続けながら突き止めたのだという.
小生の研究分野である経済学では,当たらし理論や方法論に目が向かいがちで,地道な観察による変化の確認という作業が御座なりになっている.エンジン音や外観だけではわからない車の故障箇所をボンネットを開けて調べるがごとくに,経済学者もボンネットを明けたというのがレオンチェフが産業連関表を作ったときの意気込みである.社会会計としての産業連関表という側面を強調するあまり,他の経済統計や諸外国との整合性の追求に終始し過ぎて(もちろん大変重要な作業である),ボンネットを開けて調べるというレオンチェフの発想を忘れがちである.他分野の研究者との共同研究で経済社会を謎解くのに産業連関表に足りない部分,新しい事実を補ないながら産業連関表を拡張していく作業は,地道ではあるが,経済社会の科学的理解のためには欠かせない作業だと思う. このウナギの研究や『動く遺伝子』に書かれたバーバラ・マクリントックの研究は,本当に勇気づけられる.
逆風の影響で,6651kmの成田ーデリー間におよそ10時間を要し,到着は30分遅れて7時.イミグレーションに並んでいるとセナさんから電話があり,車の手配はOKとのこと.いつもありがたい.荷物を拾って外に出たのが,7時半.待っていたのは,家族とアグラ旅行にいったときの運転手さんで,「ハーイ」と握手を交わし車に乗り込む.
着陸する寸前から気づいていたのだが,あまりに汚い普段のリュックを替えたときに部屋の鍵を移し替えた記憶がない.車の中でいくら探してもない.汗・・・家に着いてから日本に電話で確認したら,やはりインドから背負っていったリュックの中に置き忘れてきてしまった.セナさんに「鍵が見当たらないんで・・・」と電話して,部屋を開けてもらう.妻から授かったお土産を渡して,荷物を整理しているとミナクシさんがチャーイとクッキーを持ってきてくれた.このジンジャーの味がほのかにするチャーイはいつ飲んでもとても美味い.機内放送ではデリーの気温は,この時間でも26℃.部屋の中でも半ズボンだ.
3/1の天気予報 (デリー) 最高気温27℃、最低気温14℃、晴れ
3/1の天気(デリー) 最高気温27℃、最低気温12℃、平均気温20℃
3/1の天気(東京) 最高気温8℃、最低気温5℃、平均気温6℃
日本から帰国??じゃなくて再入国
09/03/01