Taj 多事
Taj 多事
2009
目覚ましに起こされることもなく3時前に目が覚める。いつものことで,あまり目覚ましにお世話になることがない。Webcastを見ていたので,ほとんど寝ていないのが実際。約束通りタクシーは4時ちょうどに来てくれた。タクシーの中でも先ほどのツバル代表の発言が流れていた。それほど大きなインパクトだったのであろう。交渉はまだ続いているようだった。10分もかからずに空港に到着。
2時間半前であるがチェックイン・カウンターはまだ開いていない。ただ気になるのが,掲示板で6:35という出発時刻の隣にExpとして10:00と出ている。ExpでExpectation timeのことだよね??つまり遅れるってこと?ブラッセルでの乗り継ぎ時間が10:15なので,どうやって間に合わないじゃないの。
ブラッセル航空のカウンターが開くやいなや女性職員が出てきて,「いまのところ5時間は遅れる予定です。ブラッセルからの乗り継ぎについては,いま探していますので,ここで待機してください」といきなりのアナウンス。10分ほどして「乗り継ぎのお客さんはNoviaという代理店が航空券を手配するのでNoviaのカウンターに進んでください」。Noviaでは4つの窓口があるのだが,2つがブラッセル航空のために割り当てられ,男女各1名の職員が個別に対応を始めた。フライトを探すのに1人30分はかかる。そのうちにアメリカとインドへ向かう便には,どの航空会社,どのルートを使おうとも,今日の空席がいっさいないことが判明した。自分の順番が来る前に,今日は帰ることが出来ないことだけが判明。問題はいつ帰れるかだ。
小生の前に並んでいたインド人の女性は,チェンナイ(旧マドラス)へ帰るのだそうだが,クリスマスが終わる26日まで空席がない!!ゲッ ゲッ,俺もか〜?この女性コペンハーゲンで学校に通っていたらしいのだが,ビザも今日で切れるということで,正直言ってパニック状態。もう英語とヒンディが混ざちゃって,何を言っているのかNoviaの職員にも意味不明だ。「何回も言うよ。はっきりわかっていることは空席がないということ。私たちにできることは,航空券とホテルの予約だけ。ビザのことは大使館か警察に行ってください」でもこのインド人は何としても今日帰ると引き下がらない。「もう一度言います。あなたが今日乗れるフライトはありません。ここで待っているほかのお客さんは,急げば今日のフライトが見つかるかもしれないので,あなただけに対応するわけにはいかないのです」「なんでなの。ここにチケットがあるじゃない」「これ以上のことはできません。それにブラッセル航空の代表者はコペンハーゲンにはいないので,もしブラッセル航空の人と話がしたいのならブラッセルに行かねばなりません。ブラッセルに行きますか?」「いくわ!」「じゃすぐにブラッセル航空のカウンターに行ってチェックインしてください。ブラッセルまでならまだ間に合います」。あーあ,行ちゃった。
さて小生の順番であるが,最終目的地「デリー」を見た途端に「あなたもおそらく同じ状況だね・・・」。今日の午後,SASで日本直行便があるので,それで日本まで行って,あとデリーまではいつでもかまわないだけどと都合のいいことを言ってみる。職員の男性はSAS便を探してくれたが空席無し。残念・・・そりゃそうだ。COP15の日本からの参加者はたいていこの便で帰る。キャンセルの出ようがない。「ベストを尽くそう」と20分ぐらい奮闘した結果,「モスクワ経由なら21日に空席がある。どうする?」「もちろんOK。さすがに26日まではいたくないからね」ということで,コペンハーゲンーモスクワ(SAS,スカンディナビア航空),モスクワーデリー(アエロフロート)を予約してもらった。ホテルは,これから別の職員が手配するから5から10分待ってほしいということで,列を離れて待つ。これであと2日間コペンハーゲンに留まることが決まってしまった。もう10時だ。
ほどなくホテルも準備され,空港と直結しているヒルトン・ホテル。いまいる第2ターミナルから第3ターミナルを抜けたところがホテルの入り口で,エストーと地下鉄の駅もホテルの入り口と直結している。詳細は手配済みだというのでチェックインをお願いすると「1泊ですね」「ちっちがうよ。次のフライト21日だから2泊ですけど・・・」「ブラッセル航空からは1泊と言われていますが,いま確認します」といって奥へ。頼むよほんとに。ほどなくもどって「大丈夫です。2泊できます。これが朝食,ランチ,ディナーそれぞれ2回分のチケットです。」ということで,あと2日は5つ星ホテルに泊まった旅行者として行動しましょう。
とは言っても,ほとんど寝ていないので眠くてしょうがない。1時過ぎまで寝て,ホテルでランチをとって中央駅付近に出向くことにした。このヒルトン・ホテルにはレストランは一つしかなく,土曜と日曜にランチの営業はしていない。ということで,隣のバーに通され,「何か飲むか」「ビール」「食べ物もいるな。スペシャルを準備しよう」出てきたのが厚さ5センチはほどのとんでもないステーキ,それにボールに生野菜がてんこ盛りとパンが5個。こんなの昼間から食ってるからあんたみたいにでかくなっちゃうんだよ!!半分も食べられませんでした・・・
コペンハーゲンへ来たら誰でもが訪れるという人魚姫の人魚像に行くことはできそうにないので,それは明日に行くことにして,今日も歩行者天国のストロイエへにエストーで向かう。実は昨日から気になっている男性専門の帽子屋さんがあって,ぜひそこで一つ買いたいと思っていた。ストロイエへに着いたのは2時過ぎで,このとき帽子屋は開いていた。今日も雪が降っているので買い物は最後にしようと,まずはコペンハーゲン市内が一望できるラウンド・タワーに登る。
U先生が見たかったウインド・パークの風車もここからなら展望できる。来たときから気がついていたが,コペンハーゲンという街は,実に平たい街なのだ。おそらく建物の高さは規制されていて5階より高いビルはないと思う。だからホテルも横になが〜い。高い建物は歴史的な建造物だけだから,1600年に建てられたこのラウンドタワーは,この近辺ではだんとつに高く,コペンハーゲン市内が一望できるというわけだ。
さて,いろいろ見て歩いて,帽子屋に戻ると,閉まってる!!まだ4時過ぎでっせ。しょうがない,明日もう一度来よう。この時間だと博物館もすぐに閉まってしまうし,なによりも寒いのでホテルに戻ろう。
一つしかないレストランでは,ビュッフェしかない。どうもこのヒルトン・ホテルの利用者のほとんどは小生のようにフライトを逃した人たちのようで,1週間とか2週間とかゆっくりと滞在を楽しむようなお客はいないのだと思う。でも,食べ物の種類は多く,なかでもフレスケと呼ばれるデンマークの豚料理は,外の皮がパリッとしていて,中が角煮のように蕩けるまで煮込まれていて,これに赤キャベツの煮物を添えて食べると,もう絶品,たまりません。
夜は,ブラッセル空港で買ったシーバスリーガルを飲んだら一気に眠気が襲ってきて,そのまま寝てしまいました。
12/19のデリーの天気 最高気温22℃、最低気温8℃、平均気温15℃
12/19の東京の天気 最高気温9℃、最低気温2℃、平均気温6℃
12/19のコペンハーゲンの天気 最高気温-4℃、最低気温-5℃、平均気温-4℃
COP15ーえっ,帰れない?!
09/12/19
1600年に建造されたラウンドタワー。教会が隣接し,頂上に近い金箔の碑文には「神よ,クリスチャン4世の心に知恵と正義を与えたもう。1642年」と刻まれています。7回転半して頂上に登れます。
ラウンドタワーから眺望したコペンハーゲン。高い建物は歴史的建造物だけです。その他の建物はおそらく5階以内に規制されていると思われます。過去と現在がほどよく溶け込んだ,とても美しい街です。自転車専用道路も完備され,ある範囲内であれば無料のレンタル自転車も用意されています。Walk more, drive lessという環境にも配慮した都市空間です。寒いですけど・・・