Taj 多事
Taj 多事
2009
5時半起床。「Taj 多事」旅行篇も書かねばならないのであるが、森本達雄『ヒンドゥー教―インドの聖と俗』も面白いので、いったりきたり。8時少し前に家を出る。今朝は、リキシャの溜まり場へ続く通りに出ると、向こうからいつもの「オニイさん」のリキシャが走ってきた。なんとなく道がすいていて8時20分には着席。
TERIのフロアの入口のドアの鍵がかっかている。こういうことは初めてだ。グランド・フロアに降りて警備員さんに開けてもらう。9時を過ぎても誰も来ない。まさか...休日?先日ダウンロードした休日表を見ても、1月8日には何もない。ただ気になるのは、去年の1月19日はMoharramというモスリムの祭日になっている。Wikipediaで調べると、ムッハラムはビジュラ暦(イスラム暦で太陰暦)の最初の月の名称で、この月の最初の10日間の宗教行事を指すこともあるらしい。つまりモスリムにとっての正月だ。そして、ヒジュラ暦は完全な太陰暦であるため、グレゴリオ暦の日付を基準に見た場合、毎年11日ほど早まっていく、とある。ビンゴ!1月19日の11日前は、本日1月8日であります。来る道が空いていたのもうなずける。
この地では、ヒンドゥ暦やらイスラム暦に準じた休日があるから、毎年同じ日が休日になるとはかぎらない。これまで使っていた休日情報は、日本語のサイトから得たものだった。早速「India calendar」で日本語に限らずググってみる。トップで検索されたtime and date.comというサイトは、いきなり1月7日がMaharramで休日になっていて使い物にならない。どうやらこのサイトは自動計算で暦を表示しているようだが、どこかに虫が巣食っているようだ。最高裁と政府のカレンダーも見つかったが、いずれも業務上のカレンダーなので、国民の休日以外も休日になっている。
ムッハラムが毎年11日づつ早まるとすると、次のムッハラムは今年の12月28日だ。政府のカレンダーでは、確かにその日がムッハラムで休日になっているけど、最高裁のカレンダーではクリスマスおよびニュー・イアーでその辺一体が真っ赤かだ。最高裁のカレンダーは、左側を1列目とする縦書きで見難いし、政府のカレンダーの方が使いよそうなので、それをリンクしておこう。先日家族がインドが来たときに子供たちの写真をカレンダーにしたものをもらったのだけど、インドのカレンダーも買った方がよさそうだ。カーン・マーケット(Khan Market)の路上で綺麗な宗教的な絵柄のカレンダーを売っていたっけ。
ところで、イスラム教では、ムッハラムの月の間は争いごとは宗教的に禁じられているそうだ。一方で、今の中東の状況はどうだろう。イスラム原理主義組織ハマスは、エジプトが仲介になったパレスチナとイスラエルの6ヶ月間の停戦協定の延長を2008年12月19日に拒否し、その直後からイスラエルのユダヤ人を標的にしてロケット弾を数百発打ち込んだと報道されている。イスラエルがその報復にパレスチナ自治区ガザの空爆を始めたのは2008年12月27日で、攻撃は今日で13日目に入った。イスラエルが報復に出ることを承知の上で、ムッハラムに入る前にやることをやってしまい、ムッハラムで争いごとのできないハマスは一方的にイスラエルの攻撃を受け国際社会からの同情を買う、という戦略が見え隠れするなんて考えてしまうのは小生だけであろうか。いずれにしても、明らかに無垢の市民を巻き込んでいるイスラエルのカザ侵攻は即時に終結されるなければならない。湯川秀樹さんらが始めた世界平和アピール七人委員会も緊急アピールを発表した.
イスラエルのガザ侵攻は世界のトップニュースに違いないが、ここインドでは2番目か3番目の扱いだ。一番はもちろんムンバイ11.26関連のニュースで、特に実行犯として一人だけ捕まったカザブ(Kasab)がパキスタン人であることをようやくパキスタン政府が認めたということがトップニュースだ。これまでパキスタン政府は、カザブはどこにも国籍を持たないInternational Fugetive(国際逃亡者)であると苦しい発表を繰り返してきたが、今回のテロに関する一連の証拠書類をインド政府が突きつけるやいなや、一転してパキスタン人であることを認めた。2番目は、J & K(ジャム・カシミール)地方の内線による銃撃戦のニュースだ。ここはパキスタンとの国境地帯で常に紛争が耐えない。今回の内線は元旦に始まった。
米国ホワイトハウスの報道官ダナ・ペリノ(Dana Perino)は、ムンバイのテロ攻撃の背後にいると考えられているイスラム過激派組織LeT(ラシュトレカイバ)とハマスは、政治的な目的を達成するために暴力や殺戮をいとわない見下げた邪悪な輩であるという意味で同列だと発言した。インドではこの発言が大きく報道された。全く正しい発言だと思うが、だからインドもイスラエルのようにパキスタンを攻撃してもかまわないというニュアンスが報道の中に少しばかり感じられるのが気になる。相変わらずIndia TodayのWebサイトには、握りこぶしにWarと書かれたロゴが掲載されている。前にも書いたように、このWarはテロの脅威に対抗できる国の仕組みを考えようという意味なのであるが(と信じたいが)、握りこぶしにWarではあまりに印象が悪い。国際社会はムンバイのテロもハマスのユダヤ人攻撃もイスラエルのガザ侵攻も決して許していない。インドの伝統である民主主義が9.11やイスラエルと同じ轍を踏まない選択をすることを願うばかりだ。
1/8の天気予報 最高気温22℃、最低気温7℃、晴れ
1/8の天気 最高気温18℃、最低気温7℃、平均気温12℃
Hamas = LeT ?
09/01/08