Taj 多事
Taj 多事
2009
今日は、一日休息日だ。午前中、子供たちは学校の宿題をかたづける。持って来た宿題は、長男、二男とも漢字の書き取りと計算問題。午前中で宿題が終われば、午後からバビーとゲームができる約束だ。
長男は、パッパ、パッパと先に進むのだが、みているとケアレス・ミスをよくする。学校の勉強では少々物足りないと見えて、軽く考えてしまうようだ。かといって自らチャレンジしようという態度を見せるわけでもない。この点、回りの環境が大事だとつくづく思わされる。小生が小学生の頃のことを思い出してみても、回りに本を読むのが好きな子がいたり、歴史のことをよく知っている子がいたり、そういう友達に刺激されて、真似をすることで吸収できたことも多かったように思う。同級生と比較すれば、そこそこできてしまうものだから、そこに安住してしまっているようだ。やれば吸収力はあるのだから、じっくりやれるものが見つかるとよい。この地の子供たちを見ることによって何かを感じ取ってくれればよいと思っていたが、観光スポットばかりを巡っていては、それも難しい。
二男は対照的に遅々として進まない。というより一つ一つに時間をかけすぎる。漢字の書き取りにしても、たいそう立派な字を書くのであるが、少しでも気に入らないとすぐに消しゴムで消して書き直す。そして、それが何回も続くとだんだん苛立ってきて、集中力が切れて、自分をコントロールできなくなって、一気にやる気を失う。ピアノの練習も然りだ。それを繰り返しながらでも、ピアノもずいぶん上達したし、本なんかは黙ってずーっと読んでいられるし、テニスの練習だって小生とやる時は歯を食い縛ってやるんだから、自分の技術が、自分の考えと接近してくるにしたがって、だんだんに落ち着いて来るだろう。
今日も二男は、だんだんやる気を失ってきて、母親と小生に説教されてべそをかいている。母親の話を聞いている間に、長男と三男と小生は、昼食の買い出しに出かける。玄関に出ると、セナさん宅から奥様のミナシさんとバビーが、三男が泣いているものと思って心配して出て来た。いまや三男はセナ家のアイドルで、三男の声が聞こえなくても心配で、泣いていたらもっと心配という具合だ。あれは二男だよというと、あらまーと、家の中に戻って行った。二男が聞いたら、またふてくされるにちがいない。少々飽食気味であるので、昼食はスナックですませることにして、近所の店でサモーサとパニール・ブレッド・パコーラを買い求める。初めて「Do Samosa」などとヒンディを使ってみたのだが、ヒンディで返されると数字ぐらいしかわからないのは、とても残念。
家に戻ると、二男も気を取り直して宿題に励んでいる。午後の1時半からセナさん宅でバビーが遊んでくれるというので、早めの昼食をすませる。パニール・ブレッド・パコーラは、いわばインドのチーズ入りカレーパンで、これはみなさんに好評であった。サモーサは、マサラで味付けしたジャガイモを小麦粉の生地で包んで揚げたものだが、少々スパイシーで不人気であった。
長男と二男は、セナさん宅に遊びに行った。しばらくして、バビーが三男を迎えに来て連れていったが、彼は行ったり来たりを繰り返す。妻は、帰りの荷造りに励む。ただでさえ狭いところに、大量の買い物が加わったものだから、足の踏み場もない。それにこの荷物をどうやって荷造りするかを早目に算段しておかないと大変だ。
長男と二男は「これこれしたいって、英語でどう言うの?」といちいち聞きに戻って来て、繰り返しお経のように唱えてから、また戻って行く。
夕食は、外で食べるつもりでいたが、子供たちが帰ってきそうにないので、妻と二人で買い出しに出かけることにした。丁度三男もセナ家で遊んでいるところを見計らって出かける。玄関から覗くと、三男はセナ家のみなさんの英語の問いかけに調子良く日本語で答えながらマイペースで遊んでいる。なんともその光景は、不思議かつ微笑ましい。
子供たちにはチキンの焼いたのがよかろうと、先日セナさんに教えてもらった歩いて10分ほどの肉屋兼レストランに向かう。線路の下をくぐる道路を歩かなければならないのだが、その道路のどこからか出水していて、一人がやっと歩ける幅の歩道がビショビショな上に、車が通ると水がハネそうなので、妻は不平たらたらであるが、ここを通らなければ線路とその周辺のスラムを横切るしかないのでしょうがない。セナさんに教えてもらった店は休みだったので、その数軒先にある同様の店に入る。メニューを見ると値段は全く同じだ。アフガニ・チキンのフル、バター・チキンのハーフ、それにチャパティを5枚注文した。レシートを厨房のカウンターに出すと、店員がレシートの半分をちぎって中に戻っていった。ここで買い物をするのは初めてで、これでよいのかどうか少々不安ではある。めったに来ない外国人が二人して厨房の前で立っているので、来る人来る人、いちいちこちらを眺めていく。しばし待たされたが、レシートを受け取った店員が、大きな袋をこちらに差し出してくれた。中を開けるのが怖いくらい袋がでかい...
来た道を家まで戻る。妻が子供たちを呼びにいっている間に、小生は食事の準備をする。袋を開けると、紙の皿も入っていてありがたい。アフガニ・チキンのフルは、足の部分が4本と胸の部分が4切れとまさに一匹分。バター・チキンのハーフは、ミルク・ポットより一回り大きめの鍋のようなプラスチック容器にたっぷりと入っていて、どうみても4人分はある。フルにしないでよかった。添えて食べるタマネギもビニール袋一杯に詰まっていて、それにかける青唐辛子のソースもビニール袋にたっぷり入っている。これだけの量で4人分と考えればRs. 375は、たいそう安い。
妻が戻って来たが、子供たちはセナさん宅でいろいろと頂戴していて、お腹が一杯で要らないというし、奥様もそのまま遊ばせておいてかまわないとおっしゃるので、自分たちの食べる分だけを皿に取って、残りはセナさん宅で食べていただくことにした。小生は、タマネギを小皿に山盛りにし、青唐辛子のソースをたっぷりとかけ、ビールのつまみとしていただく。妻は、インドに来てから生野菜はいっさい避けている。アフガニ・チキンもバター・チキンも味は申し分ない。子供たちが戻ってきたときに,「チキンおいしかったぞー」と自慢してやったが、セナさん宅でいただいた子供向けのヌードルがいたく美味しかったらしく、悔しさの微塵もなかった。
食事を終えてしばらくしてセナさんが仕事から帰宅したので、明日のデリー観光の行き先などを決めて、車の手配をお願いした。ほんとうにお世話様です。
寝る前に全員、バスルームで頭を洗うことにする。こちらの気候は非常にドライなので、毎日シャワーを浴びなくても体を拭いていれば十分である。それに暖房のない部屋の中は寒いので、かえって冷えてしまうかもしれないので頭だけということにした。まずは小生が服の洗濯をして、頭も体も洗ってバスルームを暖めて、二男、長男と三男、妻の順でバスルームを使う。大きめのバケツにお湯を貯めて、そこから風呂桶でお湯をすくって使うのだが、すぐにお湯が補給できるように、湯沸かしポットで適宜お湯を湧かして補給しながら、全員洗い終える。これは、ほんとうにサバイバル生活かもしれない。
1/2の天気 最高気温19℃、最低気温5℃、平均気温12℃。
一日中Smile Inn
09/01/02