Taj 多事
Taj 多事
2008
今朝、最初に目覚めたのは午前4時。やっと体が調整してきたか。そのまま本を読みながらウトウトして、起床したのが6時。7:25にMunnaが朝食を運んでくる。今日のジュースは、マンゴーだ。Lucky! Munnaにバナナとマンゴーを注文する。
日曜なので13:00ごろまで部屋で仕事と読書。外を見れば日曜にもかかわらず工事現場の労働者たちは働いている。このあたりでは、家や建物の補修工事が多い。安くて豊富にある労働力を集約的に使う工法だ。土運びも籠に土を盛って頭の上に乗せてリレーで運ぶ。
今日も昼食がてら散歩をしよう。今日は刺すように暑い。Jor Bagh Marketの方から大回りしてIHCへ向かう。昨日は気づかなかったが(おそらく閉まっていた)マーケット隅っこに雑貨屋があり、昨日コーラを持って来てくれたおじさんが働いている。雑貨屋のおじさんがときには、GHのウェイターにもなるのである。暑いので、みなそこらじゅうで昼寝をしている。アイスクリーム売りは、売り物のアイルクリームが入った容器をふとん代わりに寝ている。冷たくて気持ちいいのだろう。歩道の日陰でも堂々と昼寝している人たちが何人もいる。
今日もEatopiaでVegetarian Thali。Eatopiaへ日参している理由は、レシートがもらえること。 Defence Colonyに移ったらいろいろなところを食べ歩こう。Thaliとは大皿の意味で、小椀に盛った何種類かのカレー、漬け物、デザートなどをライスやチャパティを囲むように盛り合わせた定食。写真右上は、ジャガイモ、インゲン、グリンピース、人参などがはいった野菜カレーで汁気が全くない。この手の野菜カレーは小生のお気に入りなのだが、日本ではほとんど食べることができない。右中は、レンズ豆を煮込んだダールカレー、右下はタマネギの漬け物。中央上はライスで、下がチャパティ。左上は、野菜のコフタ(ダンゴ)入りカレー。このコフタは、野菜でできているのだが、食感も味も肉団子。コフタの左上にちょこっと顔をのぞかせているのは唐辛子。左中は、パニールという白いチーズの入った酸味のあるカレー。左下は、何かの団子を甘い蜜につけた菓子。これで120Rs(¥360)。これは山色のカレー(¥310)よりいけます。
今日は、このまま27JBGHに戻ることにする。27JBGHの一本手前(Second Ave.)を曲がって少し遠回りをしてみる。やはりインドはでかく、一つのブロックが終わるまでには結構な距離を歩かなければならない。一ブロックを過ぎた手前にマーケットが見える。看板に “Welcome to Khanna Market”とある。道路の進行方向右側にぎっしりと小売店が300mにわたって並んでいる。食料品も電気製品も衣服も全部ここにある。これがインドのマーケットの典型的なもので、スーパーやショッピングモールは、限定されたところにしかない。レジがおいてあるところなどほとんどないので、レシートなどもらえるはずもない。マーケットの終点まで行き、27JBGHに向かって引き返す。
コーラのおじさんのとろで、コーラでも飲んで帰ろうと思い、立ち寄るが閉まっているではないか。時計を見ると3時。暑いから店閉まいして昼寝か?仕方ない、27JBGHは目と鼻の先であるが、もう少し遠回りして帰ろう。先日にも書いたが、このJor Bagh Colonyには、下から二枚目の写真のような高級住宅が多い。しかし、一区間隔てると掘建て小屋同然の住居がぎっしりと詰まっている。そういえば、午前中に部屋に居るときにMunnaがベッドメイクにやってきた。ベッドの他に洗面所のタオルの取り替えなども彼の仕事である。しかし、ベッドの高さより低い場所は、Munnaの領域ではない。こういう言い方をしては失礼であるが、たいていより色の黒い、小柄な神の子とおぼしき人たちが床や便所を清掃するのだ。貧困の終焉がインドにとっての最大の課題であろう。経済発展とともに貧困が解消していくときに、この階級社会はどうなっていくのであろうか。少なくとも機会に対する平等が保たれ、この人たちが尊厳を持って生きてゆける社会にならないといけない。
岩井克人・佐藤孝弘『M & A国富論』(プレジデント社、2008年9月19日)読了。
これまで正直言って、金融、ガバナンス、社会保障などの分野をしっかり勉強してこなかった。ホリエモン以来の敵対的買収についても、経済学的に考えたことなどはなかった。ただの移転であり、それによって生産構造が変化するものであるまいと漠然と思っていた。しかし、よい買収が行われない場合、つまりよい経営者が選ばれない場合には、生産構造も変化し得るし、一国の経済成長にもかかわる、したがって悪い買収が行われ難い、よい経営者を選ぶインセンティブの働く制度を設計し提唱したのが本書である。『不均衡動学の理論』、『ヴェニスの商人の資本論』を読んで以来、岩井先生の分野を越えた見識の広さ深さ、そして文章の巧さには尊敬の念を抱いていたが、今回はおそらく初めて政策的な課題に取り組まれ、会社法などの実際の制度と日本の現状を踏まえ、会社とは何か、株式式市場とは何か、会社買収とは何か、そしてより根本的はポスト産業資本主義の時代における会社、経営者のあり方とは何かという理論的整理から出発して、実際に具体的な制度を設計しメッセージを発信されたことは、感動すら覚える。
「敵対的買収」、「TOB」という言葉は、ホリエモンや村上ファンドの事件以来ニュースや新聞紙上を賑わせているが、本書を読んでその内容がやっと理解できたように思う。TOBによる買収の不可能性の問題など、ゲーム理論にもとづく小難しい数式など使うことなく、非常にわかりやすく説明されている。今の経済社会の制度や、ましてや会社で働く人がほとんどであるという現状を考えたとき、株式市場を含む金融、社会保障、税金などの経済生活に直結するものついては、その考え方と現状を高校生などの早い段階から教育する必要があるのではないだろうか。経済学のこういう授業を聞かないと知ることができないということでは、民意の向上などあり得ないであろう。大学に入ってからは、この著書に示されている制度設計などを考えるための理論的基礎を徹底的に教えればよい。
また、このような具体的な制度設計を発信するには、経済学だけでなく、経営学、会計学、法律などの分野を越えた研究者や実務家などによる徹底的な議論に基づく研究が必要なことがわかる。我が商学部にも、そのようなインセンティブスキームが必要なようだ。
これで、日本から持って来た新刊書は読んでしまった。これから航空便で届くのは、ほとんど研究書であるが、時間の許す限りじっくりと読むこととしよう。
Jor Bagh散策
08/09/28
リレー作業の土運び
昼寝です
家がないわけじゃありません
たぶん
EatopiaのVegetarianl Thali
Khanna Market
ここがら300mほどつづく。
なんでもある。
Jor Bagh Colony
の高級住宅
1ブロック隔てると。。。