Taj 多事
Taj 多事
2008
バラナシに到着する予定時間は、早朝の6時20分。この電車は車内放送がないので、到着予定時間になると外国人達はそわそわし始めるが、到着する気配もない。インド人達は時間通りに着かないのが当たり前のように、もそもそ起きだして、顔をあらったり歯を磨いたりしている。7時ごろに遅延を予想していたかのごとく、ユニフォーム姿の物売りが朝食を売りに来る。誰も買わないので、5人もいる小生達の家族で何とかしようとしつこいが、ホテルで用意されているからと嘘をついて断って、あとどのくらいで着くかと尋ねると、1時間ぐらいじゃないかとお答えてくれた。
あいかわらず外国人達は駅に停車するたびにそはそはし始めるが、インド人達はまだ反応しない。8時半を回ったころに、枕や毛布を配って歩いていた職員が、枕と毛布を集めに回る。小生達のところに着た職員は、「Varanasi coming sonn」とニコニコしながら言って立ち去った。なるほど、これが間もなく到着という意味だったわけだ。インド人達も仕度を始める。
約3時間遅れの9時過ぎにバラナシに到着。およそ17時間の長旅でした。車両の出口には、先ほどの枕の職員が立っていて、サービス料をくれとせがむ。先ほどの愛想のよさは、このための前座だったわけね。しつこいのでRs. 20渡す。駅のホームに迎えに来ていた現地の旅行会社の人に案内されて待機する車に向かう。Vaseenさんというモスリムの運転手に連れられてRamadaホテルに向かいチェックイン。旅行会社の人はバイクでついてきて、スケジュールの打ち合わせをする。11時に市内観光に出発して、ホテルでランチをとり、15時にサルナート観光に出かけることにした。部屋は3人用の大部屋で、ダブルベットが二つと、あとから簡易ベッドが一つ入れられる。
グランド・フロアーのCafeレストランのビュッフェで朝食を取る。5つ星ホテルの割にはどうということはない平凡なメニューで平凡な味。
部屋で少しだけ休んで、市内ツアーへ。場所は、運転手のVaseenさんにお任せ。といっても、観光の定番メニューである。最初に訪れたのは、別名Mother Templeと呼ばれるバーラト・マーター寺院(Bharat Mata Mandir)。寺院の中には、大理石で作られたインドがある。客はわれわれの家族だけで、売店のオジさんにしっかりと大理石のインドでインドの説明をされてしまった。説明料は、絵はがき3枚で勘弁してもらう。
「やられたー第2弾」
次に向かったのは、ドゥルーガー寺院(Durga Mandir)。ここは、シヴァ神の妃であるパールヴァティを祭っている。パールヴァティには、明るい側面と暗い側面があり、暗い側面のパールヴァティは闘いの女神でありドゥルーガーとカーリーという二つの顔をもつ。そのためのこの寺院は、血の色で塗られている。
ガイドブックには観光客は参拝できないと書いてあったのだが、入ることができた。ただここは、観光のための寺院ではなく、ヒンドゥー教徒たちが毎日のお祈りに訪れる寺院なので、その様子を遠回しに眺めながら一周する。出口にほど近いところで、祠に花を投げ込んでお祈りをする集団があったので眺めていると、オジさんに手を掴まれ、花を掴まされ、お祈りをされてしまった。遅れている小生を呼んでいる家族を見つけると、妻も呼び寄せ一つの花を二人で持たされてまたもやお祈りをされてしまった。お祈り料一回につきRs. 100。油断も隙もあったものではない。彼は、非常に流暢な英語でお祈りをしていた。その能力をほかに活かせば、こんな詐欺みたいな生活をしないで済むだろうにと思う。
午前中の最後は、ベナレス・ヒンドゥ大学(BHU、Banaras Hindu University)。サンスクリット、哲学などインドの民族文化を総合的に研究するために建てられた大学で、現在では医学、物理、化学などの学部も備えた北海道大学を連想させるような巨大な総合大学である。全ての建物は、茶色と白のヒンドゥー様式で統一されている。構内には、シヴァ神を祭ったヴィシュナート寺院(Vishwanath Temple)が白く聳えている。こちらは旅行者でも参拝可能ということであったが、なぜか入ることができなかったので、外から眺めるしかなかった。
昼食にホテルに戻り、朝と同じCafeレストランでビュッフェを頼む。朝とあまり代わり映えしないし、ひどいのは料理が品切れ状態で、紅茶が出がらし同然でぬるいこと。残っているものを少しだけ取って、料理が出るのを待っていると、ウエイターが「Finished?」と皿を下げようするので、「料理がないじゃないか」とブスッと言うと、「Food is coming」と言って、料理を早く出すように催促に行ったようで、ほどなく料理が出て来た。
午後は、バラナシを出てサルナートへ向かう。ブッダ・ガヤで悟りを開いた仏陀がこの地で5人の修行者に出会い、初めて説法を行ったという仏教徒の聖地である。最初に博物館を見学して、遺跡群に入る。遺跡群は広大な庭園の中に散在し、ひときわ目を引くのがダメーク・ストゥーパという高さ34mの仏塔で、この場所で仏陀が有名な説法を行ったと言われている。そのほか仏教徒であったアショカ王が建てた仏塔や修道院の跡も残されている。640年には、西遊記でおなじみの三蔵法師もこの地を訪れたということで、今日もおそらくチベットからと思われるたくさんの仏僧がお経をあげていた。バラナシは大変暖かく、シャツ1枚で十分。 子供たちは、庭園がお気に入りで、走り回って遊んでいる。
日本人画家、野生司香雪(のうすこうせつ)が仏陀の生涯を描いた壁画のあるムルガンダ・クティー寺院(Mulgandha Kuti Vihar)を見学して、鹿公園に行く。ほんものの鹿を見た三男は大はしゃぎ。最後に日蓮宗の日本寺をちらっと見学してホテルへ戻る。
ホテル内のシルクロードという中華料理レストランで夕食を取る。三男は、店に入った途端に瞼が落ち、そばにあったソファーで何も食べずに寝てしまった。長男と二男も陥落寸前。日本時間では夜の11時を過ぎているからしょうがない。ウエイターは親切で、とても陽気で好感が持てたが、 料理の方は値段の割にはたいしたことはない。Kingfisherのビールはとても美味かったです。デザートで頼んだイチゴのアイスクリームの味が今ひとつで、長男が食べないでいると、マンゴーのアイスクリームを無料で出してくれたのはマル。
デリーでは、熱いシャワーにゆっくりと浸るなんてことはできないので、存分にシャワーを浴びて、明日の早朝ボートツアーに備える。
12/28バラナシの天気 最高気温24℃、最低気温10℃、平均気温17℃
バラナシ市内、サルナート観光
08/12/28
バラナシにある闘いの女神ドゥルーガーを祀って血の色で塗られたヒンドゥー教のドゥルーガー寺院。ここでもお祈り料として、まんまとRs. 200を取られてしまいました。
ブッダ・ガヤで悟りを開いた仏陀が初めて説法を行ったと言われる仏教徒の聖地サルナート。そこで修行に励む尼僧さん。なんとも長閑です。