Taj 多事
Taj 多事
2008
みなさん時差ボケで朝5時前から大騒ぎ。昨晩のインド料理は、お腹一杯になる前に口の中が火事になったようで、早朝からお腹が空いたと大騒ぎ。日本から持って来たフリーズドライのお粥やら何やらをそれぞれに食べだす。
今日は、午後3時35分ニューデリー発の寝台特急でバラナシへ向かう。午後2時に家を出発する予定なので、出発の準備を整えてから、シャカルプールとラクシミ周辺を散歩して、V3Sで昼食をとって家に戻ることにする。小生にとっては慣れた道でも、車やバイクやリキシャがプープーやかましくルールが無いごとくに走っているし、おまけに野良牛や野良犬までうろうろしてしているのでは、気が気ではないようだ。けっして清潔とは言えない道に恐れをなした三男は、母親に抱っこでないと歩きたがらない。
シャカルプールからラクシミに続くマーケットとラクシミのマーケットをゆっくりと40分程度歩いて、V3Sへ到着。みんさん不平たらたらである。おまけに土曜日ということで、V3Sのほとんどの店舗が午前中は閉まっているので、マクドナルドでしばし休憩をとる。二男に英語でFrench Fry(フライド・ポテト)を注文させてみた。なんとかなったようだが、席で待っていろと何度いわれてもわからなかったようで、妻がヘルプ。
正午を回ったところで、タンドリー・チキンが食べたいというリクエストにお応えして、Moti Mahalというノンベジ・レストランへ入る。この時間に昼食を取るインド人はいないので、お客はわれわれだけだ。Tandoori Chicken、Chicken Afghani、Jeera Aloo、Bhindi Do Pyaza、Roti、Butter Naanを注文する。 Tandoori ChickenとChicken Afghaniは大好評で、長男なぞは毎日ここがよいなどと無理を言う。これだけ食べてRs. 1077(約2000円、一人当たり200円)は安いのですが、インド生活に慣れてしまったお父さんには、ドキッとするほど高いのです。
13時半には家に戻り、迎えの車を待つ。予定通りの14時に迎えの車が来てニューデリー駅へ向かう。噂には聞いていたが、すごい人の数である。掲示板で出発ホームを調べたいのであるが、そこに群がる人の数も嫌になるほど多いが、その回りに座り込んで動かない人々の数がこれまたすごい。
われわれは、デリー15時35分発の寝台特急New Delhi Samastipur Lichchavi Expressの4006号でバラナシへ向かう。4006号の情報が掲示板には出ていない。わからないことは赤帽さんに聞くようにセナさんから指示されていたが、どこにも見当たらないので、とりえあず構内に入り各ホームの掲示板を確かめる。ホームは、16番ホームから1番ホームまで一直線に並んでいる。高架の連絡通路を16番から1番に向かって人ごみをかき分けかき分け進むが、1番まで行っても見つからない。少々ドキドキしながら16番に向けて混雑の中を戻る。遠方の15番ホームに4006号15時35分発という掲示を見つけ一安心。
今度は、われわれが乗る車両がどこに止まるのか検討がつかない。家族を待たせて、小生がホームを探索すると、隣の14番線ホームの屋根から電車の番号と車両の番号を示す電光掲示板が車両の止まる位置ごとにあるのを発見。まだ15番線のものには何も表示されていなかったが、家族のところへ戻る間に4006号の車両の位置も表示された。われわれが乗るのは、4006号の中では最高級のAC2という車両で一つしかついていない。ところが、その車両が止まるはずの場所には、その車両には乗りそうにない人達がわんさと座り込んでいる。多くの人達は、電光掲示板で車両が示されていることを知らないようで、電車がホームに到着するなり民族大移動が始まった。
電車が長距離移動の主たる手段であるということに加えて、この時期は旅行シーズンであることから、小生どもの寝台も連続した場所を予約することができなかった。通路をはさんで片側に上下に二段のベッドが向かいあい、もう片方に上下2段のベッドが通路に面して配置され、これら6つのベッドが一つのグループをつくっているといってよい。小生どもの寝台番号は、11、30、44、46。44と46は同じグループであるが、11と30は孤立しているので、44と46のグループのお客さんと寝台の交換をお願いする。こちらが話す内容は理解してくれたようなのだが、英語で返答してくれないので今ひとつ不安であるが、首を横にかしげて「later」と言っているので、後で交換してくれるようだ。とりあえず、46に妻と二男、三男を残して、11番に長男と小生が座る。
11番の席と通路で向かい合う4つの寝台にはインド人の母親と二人の子供そしてお爺ちゃんの家族が座っている。見送りの若い青年も一人いる。そこへ夕食の注文をとりに一人の若者が現れて、向かいの家族の注文をとる。次は小生達の番で弁当売りの若者がヒンディで話しかけると、向いのお爺ちゃんと青年が流暢な英語で説明してくれて、ベジとノンベジを二つづつ注文した。合計Rs. 182という中途半端な金額でRs. 200を渡すとつりがないから後でもってくると向いの青年が通訳してくれた。
夕食は注文済みであることを妻に伝えに行くと、ゴキブリとネズミがいたとかで、発車前からげんなりしている。三男が小生どもの席までついてくると、向いのお爺ちゃんが「何歳だ?男の子か女の子か?英語はしゃべれるか?」と興味津々。「お爺ちゃんの家に来るか?」と聞いてくれというので、三男に聞くと「うん」と答える。お爺ちゃんは大喜びで、「お前達はどこで降りる。この後のスケージュールはどうなっている」と真剣に考え始める。まるで『ガンジス川でバタフライ』を再現しているような光景だ。丁重にお断りすると大変残念そうであったが、三男が元の席に帰ろうとすると、向かいのお母さんが三男にポテトチップを一袋渡してくれた(あとで聞いたところによると、この三男の収穫物は二男にすべて食べられたそうな)。三男に「Thank you」とお礼を言いなさいというと、どこで覚えたのやら歯の間に舌を挟んだ「th」の綺麗な発音で「Thank you」と言う。お爺ちゃんまたまた大感激で「He learned one word!!」と拍手喝采。
「やられたー第1弾」
ニューデリー駅を出発するとすぐに車掌が席の確認に来た。小生たちの席順を見て、「家族ばらばらか。寝る時間までには何とかする」と大変ありがたいお言葉。それを伝えるためと、ネズミを恐れる妻と席を替わるために46番に行く。どうも46番の向かいの連中は、あまりよろしからぬ輩のようで、4つのベッドにすでに6人ほどが折り重なるように寝ている。もちろんそのうちの一つはわれわれの寝台である。席のことは車掌に任せることにして妻と席を替わる。この車両には「Chaai」やら「Bhujia」やらとユニフォームを着た物売りが頻繁に来る。そのうちに同じユニフォームを着たオニイさんが「Dinner?」と聞くので「もう注文したよ」というと、何を言っているんだいという顔で回りの人達にヒンディで話かけている。間髪をいれずに妻が飛んで来て、「騙されたらしいよ」、「何が」、「夕食」。11番の席では向かいのお母さんたちと車掌がヒンディで激論中である。向かいのお爺ちゃんたちの隣のお客が、小生に説明してくれたところによると、「この電車では、物を渡してからでないと金を受け取らないというのが基本なんだ。各駅で物売りが乗り込んでくることもあるけど、ユニフォームを着た物売りから買うのが一番安全だ。お前達は明らかに騙された」ということだ...向かいのお爺ちゃんの家族が必死に交渉してくれたおかげで、これ以上支払わないで夕食を食べることはできたが、まんまとRs. 200を騙し取られてしまった。
どこかの駅に到着すると、隣のホームに電車が入って来た。車両の中はバスのごとくにギューギューで、屋根にまで人が乗っている。噂には聞いていたが、これはすごい。子供たちも驚きのまなこで見つめていた。
44番の寝台がある場所に車掌がどっかりと座り込み、一人一人のチケットを確認している。きちんとした料金を払っていない輩もいるようで、追加料金を払っているものもいる。そこの処理を済ませた車掌が、しばらくするとやって来て、同じグループに属する19、20、24番を準備できるので、気にいるかどうか確認しろという。車掌と一緒に行って確認して、11、44、46を放棄して19、20、24番に替える手続きをする。あとは23番の客が次の駅から乗って来るから、その客と交渉するので、乗って来たらお前からも話をしてくれと言って立ち去った。
8時頃に夕食が配られた。確かにわれわれからは料金を徴収しない。出された食事は、イエロー・ダールとカリフラワーとジャガイモのカレー、それにパンとご飯のベジメニューで、ノンベジメニューはカリフラワーとジャガイモのカレーの代わりに卵のカレー。どのカレーもたいそう辛く、子供たちはギブアップで茹でタマゴだけを食べておしまい。
夕食後、小生以外は寝る準備。小生は次の駅で寝台の交渉をしなければならないので、23番寝台で本を読んで過ごす。すでに電車は遅れているようで、次の駅に到着したのは11時ごろ。23番の乗客はイタリア人で、すぐに事情を理解してくれて、寝台の交換をOKしてくれた。ほどなく車掌もやってきて正式に寝台の交換成立。これでお休みなさいだ。
12/27の天気予報 最高気温24℃、最低気温7℃、晴れ
12/27の天気 最高気温25℃、最低気温9℃、平均気温17℃
寝台特急でVaranasiへ
08/12/27
デリー15時35分発の寝台特急New Delhi Samastipur Lichchavi Express 4006号の夜中の車内。この列車でヒンドゥー教の聖地バラナシへ向かいます。乗って早々にRs. 200を騙し取られました。