Taj 多事
Taj 多事
2008
6時15分起床。早々にTVをつける。Mumbaiまだ終結していないようだ。Taj Hotelでは銃撃戦が展開されている。ホテルの窓には、火が噴き出しているものある。今日は、午後からMr. Singhに引き回される予定であるが、朝はいつもより遅くても問題ないので、プログラムを書きながらTVを観る。8時10分ごろ、Taj Hotelの一室の窓からテロリストのものとみられる死体が一体放り出された。8時20分ごろTVのテロップに「All terrorists dead」と流れる。どうやら終結か?8時45分ごろにTaj Hotelの前でコマンダーの会見が行われた。終結のようである。事件勃発からおよそ60時間。関係者にとっては、どれほど長い二日半だったのだろうか。ヒンズーとモズリム、イスラエルとパレスチナ、モズリムと...人類は、これらの争いを終結させる術をもたないのだろうか。9.11が起きたとき、貧困という経済格差の問題が、その根底にはあると言われた。しかし、インドで貧困のまっただなかで暮らす人々が、テロに訴えて貧困を終焉させようするだろうか?そんなことは、何の解決策ににもならないのは、誰が考えても明らかだ。この事件は、インドにとって9.11に匹敵する出来事だったのではないだろうか。この事件を受けてインドがどのように対応するのか、 米国の9.11に対する対応とどうちがうのか、注目したい。
コマンダーの会見を現地で中継している女性キャスターの声は、たしかにいつもニュースで聴いている声なのだが、映し出された顔は別人。いわゆるノーメーク(60時間取を続けてきたのだからしょうがありません)で、普通のインド人であることに驚いてしまった。TVに出演するときは、たいそう白く塗っているわけね...
9時過ぎに家を出る。いつもRickshawに乗る場所に行くと、警官が多く出ている。テロのせいだろうか。いや違う、今日はデリーの総選挙の投票日だ。選挙のことは、ムンバイのテロ事件で完全にすっ飛んでしまったかのようにみえる。TVでもテロ以外のことは、一切報道していない。投票所の警備に警官が出ているのだ。ただ投票所といっても、道端に机がおいてあって、そこに選挙管理人らしき2、3人が座っていて、投票に訪れた人は、そこにある候補者のリストを見ながら投票用紙に記入して、とりあえず管理人の持っている袋に入れる。そして二度投票ができないように、手にマジックで印をつけられる(消せると思うんだけど)。投票人の確認はしないのかしら?なんとも簡単と言うか、セキュリティ感覚のない選挙である。
Rs.90のRickshawでIHCへ向かう。途中の道端にも多くの投票所が設置されていた。9時半着席。いろいろ試しながら、明らかな異常値をはじきながら個表を精査するプログラムを書いてみた。ASI(登録事業所に関する工業統計)を産業連関部門にコントロールして、いくつかの産業連関部門について実験してみたが、うまく動いている。それにしてもRというプログラムはよくできている。データベース・プログラムと組合わせれば、条件に適合した標本だけを選択するのは容易であるし、経験累積分布にもとづいて計算される標本からの情報にもとづいて、データを精査するなんてことはお茶の子さいさいだ。
13時にMr. Singhと待ち合わせて、まずは先週行ったPindyと同じマーケットにあるChicken Innというレストランへ。ここも旅行者向けのレストランで、高いだけで、格段においしいとは思わない。思わないというより、Gulba’sのほうが、10分の1の値段で絶対に美味い!運転手は、ここでただ飯に預かれるから連れてくるわけだけど、たんなる旅行者というのは、想像以上に損していることがよくわかる。まだ、鶏肉を食べられる庶民の食堂を開発していないので、普段は食べられないTandoori Chickenのhalf(Rs.200)と一番安いDal Yellow(Rs.170)とRotiを1枚(Rs.30!)、それにFresh Lime with SodaのSalty(Rs.90)を注文。Gulba’sならDal YellowがRs.40でRotiが1枚Rs.3だ。何度も言うけどGulba’sのDak Yellowの方が断然に美味い!タンドリー・チキンは、庶民の店とどのくらい違うのか試してみるのが楽しみだ。税金をあわせて、しめてRs.551。おまけに10%のチップをしっかり請求するから、頭にくる。チップあわせてRs.601。日本円でも1200円。とんでもないランチだ。来週からは、庶民のレストランでMr. Singhと一緒に食べよう。彼の分を払ったってRs.150はいくまい。
今日は、寺院回り。最初に、Bangla Sahib Gurdwaraというデリー最大のシック寺院へ。Mr. Singhは、シック教徒なので、小生に見学させると同時にお祈りに。シック教徒でなければ入れないわけではなく、控え室のようなところで、裸足になってオレンジ色の三角巾を頭にまいて、にわかシック教徒に扮して、中にはいる。まずは本堂(?)で、説教を聴く。聴くといってもヒンディなので、回りの様子を眺めているだけなのであるが、みなあぐらをかいてうつむきかげんに、説教に耳をかたむけている。
本堂を出ると巨大なプールがあって、ヒンズー教のガンガー(ガンジス川)のように信者達が、聖なる水で体を清めている。次に向かったのは食堂で、Holy Foodと称して無料の食事が提供される。食器の山から自分の食器を選んで、床に座るとパケツにはいったカレーやライス、パンを配ってくれる。昼食を食べたばかりなので、カレーを入れる器に、チャイを注いでもらった。Holy Foodと言われては、カレーの器一杯に注がれたチャイを残すわけにもいかないので、熱くなった器をそっとつまみながら、最後まで飲み干した。二ヶ月前なら絶対に飲まなかっただろうけど、今はほんのちょっとだけ躊躇があるものの飲んでしまう。Mr. Singhは、豆のカレー(ダール)とパンまで食べている。Chicken Innのただ飯では、足りなかったのかしら?食べた終えた食器は、パンを焼いた薪の灰で自分で洗って、食器置き場に戻す。シック教徒なくても食べられるので、慈善事業的な意味もあるのだろう。
次にその食事を作っているところを見せてもらった。工場のようなところで、大人数の共同作業で準備している。みんなボランティアということだ。パンを焼く機械が一台だけあって、これはイギリス製だと自慢げであるが、どうみても手作りのほうが効率よいように見える。
たいへんおもしろかった。本堂であぐらをかきながらお経のようなものを聴いて、聖なるプールの回りでボーッとしているのは、とても気持ちよくたまに来るのもいいかなと思う。そういえば、ここに何回も足を運んでいるというカナダ人のおばさんもいたけど、そういう気分なのかもしれない。
つづいて近くにある、Birla Templeというヒンズー教寺院へ行く。ヒンズー寺院には、Mr. Singhは入らないので、Rickshawで待っているから、ここに靴を置いて行けという。シック寺院では、無料で靴を預かってくれたけど、ヒンズー寺院では金をとられるかもしれないし、預けた靴も盗まれるかもしれないと主張する。車を止めた所は入口まで50mほどあるし、裸足で歩いている人も見当たらないし、ガラスやう○こを踏んでしまったらどうするのよ。気をつけながらゆっくりとゲートまで歩いて、金属探知を抜けると、カメラと携帯電話も持ち込み禁止で隣の部屋に預けろというのでいってみると、個別のロッカーにしまって、ここに靴も入れることができるようになっているし、無料!ロッカーの鍵も、自分で持っていくので、落とさない限り、盗まれるということもないだろう。こちらの寺院は、神様がたくさんいるから大変だ。信者の人達は、最初の神様にお祈りをして、眉間に赤い塗料を塗ってもらっている。広い寺院の至るとこに神様の絵と像が配置されていて、さきほどのシック寺院に比べると落ち着かない感じだ。いったん外に出て、別の入口からはいると、ここからは寺院の中にはいれないので、写真も撮ることができる。外観もここで初めて見ることができた。極彩色でかなり新しくみえる寺院だ(オリッサ様式というそうです)。
この辺りは、ニューデリーの商業の中心地あるConnaught Placeに近く、どこか見て行くかと聞かれたけど、「いや、今日こそTikkiを食べて、帰ろう」と申し出た。Connaught Placeのすぐそばの庶民のレストランの入口でTikkiを焼いているところがあったので、そこに寄る。Tikkiを二人分注文すると、店の中で待てとTikki焼きが言うので座って待つ。Tikkiというのは、ジャガイモをコロッケのようにつぶして、中にマサラ(カレー)で味付けした豆(?)をいれて、まさにコロケッ状に丸めて、多めの油で外がカリッとなるように焼く。それを甘めのソースと辛いソースの二種類のソースの上にのせて出てくる。美味い。インドのベジタリアン料理というのは、ほんとうによくできていると思う。素材が上手に活かされているし、日本人からしてみるとカレーなのだけど、全部違う味になっているので飽きない。一口食べて美味しかったので、写真を撮るのを忘れて一気に食べてしまった。例のごとく、Mr. Singhは、人のカネだと思って、勝手にスイートを注文している。Gajar Ka Halwaという人参のスイートで、甘すぎず、量も適度で、これも美味い。アメリカのデザートといやつは、たらふく食べた後に、これでもかというほどでかいケーキやアイスクリームが出てくるけど、インドのスイートは、口なおし程度の量でたいへんよろしい。二人分でRs.70。でもうちRs.20は、店員にチップとしてわたしている。人のカネだと気前がよい。
家に戻ったのは5時半。楽しい一日でした。なんて言うと、ムンバイの人達に申し訳ない気持ちになる。
Mumbai終結、そして寺院巡り
08/11/29
Bangla Shaib Gurdwaraというデリーで最大のシック寺院。
Holy foodと称して無料の食事が提供されるのですが、そのパン生地を作っている様子。みんさんボランティアだそうです。
生地を作ってるすぐ後ろで、大きな鉄板の上でパンを焼いています。手前には、焼かれたパンが山積みになっています。パンを焼く機械もあったのですが、こちらのほうがどんどん焼けていました。
Birla Templeという、こちらはヒンズー寺院。極彩色でオリッサ式というそうです。