Taj 多事
Taj 多事
2008
5時45分起床。昨日、セナさんの事務所で使っているA4用紙を一束分けてもらったので(値段はまだわからない)、溜まった領収書/レシート貼りを敢行する。ほとんどがレシートであるが約30枚をA4用紙に貼付けて行く。支出を仕訳して、それぞれの支出に領収番号を振って、その番号を領収書に書き込み、貼って行く。 研究費を頂戴したときには、いつもやらなければならない作業だ。数ヶ月も溜めてしまうと、やる気が失せてしまうので、今朝決行。
一息ついて、コーヒーをいれにキッチンに行って電気をつけると、家守君が驚いたようにあたふたしている。この家守君、ここに入居した時にはすでに住まっていた。最初は2Fの寝室にいたのだが、三日目以降見かけなくなっていた。きのう朝起きたときに1Fのリビングの電気をつけると、リビングの壁を這っていて、やはり驚いたように洗面所に逃げていったのだが、キッチンまで移動したようだ。逃げ場を失った家守君は、シンクの中でうろうろしていたが、すごいスピードで抜け出し、外(正確にはセナさん宅)に通じるドアの下の1センチほどの隙間から出て行った。すべてのドアにこの程度の隙間はあるので、家守や蚊なんぞいとも簡単に出入りできるのだ。ベランダにしょっちゅうリスが現れるが、さすがにリスとかサルは無理だな。
2番目と3番目の写真は、Defence Colonyのゲストハウスから見えた住宅の建築風景だ。基本的にコンクリート造りで、コンクリートが乾くのまでの間、木のつっかえ棒で支えているようだ。上の写真が入居時で、約2週間後の出居時には下の写真のように、しかっり出来て来たように見える。コンクリートの中には、鉄の心棒が通されるわけだが、この心棒の切断の仕方がものすごい。鉄を切断するわけだから、熱を加えて鉄を溶解させて切断するわけだ。バーナーで高温の熱を加えて切断するというのが、先進国的な思考回路。まずは直方体の鉄の塊を切断箇所に当てて、ハンマーでガンガン叩きまくる。すごい音だ。その後に、ハンマーで叩いていた人間が、心棒の先端を握り、道一杯に動きながらグルグルと回し始めて、切れるまで続ける。ハンマーと回転による外からの力を分子の運動エネルギーに変えて、その運動エネルギーが熱エネルギーになって切断できるエネルギーになるまで、人力を熱エネルギーに変換し続けるという工法である。こんな工法でも1センチ程度の隙間しかできないのだからたいしたものだ!?職人さん達は現場に泊まり込んでいるようで、夜明けから夜10時ごろまで、大声を張り上げて働いていました。
昼は、近所のレストランでMassala Dossa(Rs.32)を食べる。ビックリするような大きさで、味もGood。どこの店でもMassala Dossaはスナックになっていて、いわゆる食事の時間帯以外には、これらのスナックしか出さない店も多い。インド人は、たとえベジタリアンでも肥えている人が多いのだが、外で気軽に食べられるSamosaやPakoraなども全て油で揚げたものだし、スウィートも種類豊富だし、 Dossaを間食に食べていたら、それは肥えてもしょうがない。まだ、メタボなど食べ過ぎによる健康の問題への意識は低いようだ。それよりもっと豊かになってもっと食べたいということだろう。明らかに所得の低い階層の人達は、痩せている。
ほぼ食べ終わろうとするころに、一人の青年が、「こんにちは。どこから来たの」、「日本だよ」、「ジャポン」と正面の席に座ってきた。イランからビジネスと英語のブラッシュアップのために半年程、インドを転々としているそうだ。英語が話したくて、小生に近づいてきたようだ。インド人の英語をうまく聞き取れないという共通の悩みを抱えていた。人のことは言えないけど、確かに英語は怪しげで、「I business date」という。Businessは動詞じゃないけど、dateという仕事をしているらしい。日本にdateのビジネスはないのかと聞かれたのだが、まさかモスリムで援交でもあるまいし、「What is date?」と聞くと、「Fruit!」という。ますます頭は大混乱。電子辞書を取り出して見せてくれたのだが、一向に見当がつかない。たぶんどこかで売ってるから、教えてくれるというので、彼がChowmein(焼きそば)を食べ終わるの待つ。まさか薬の売人か何かで、怪しげな所に連れて行くのではないだろうなと警戒したが、いろいろな店でdateはないか聞いている。最後にスーパーにもないことがわかったところで、ヒンドゥ語の名称(忘れてしまった)を教えてくれて、「Nice to meet you」と言って別れた。あとで辞書を引いたら「ナツメヤシの実」だそうだ。やっぱり実物を見せられたところでわからなかったにちがいない...
そのままV3S(超現代的ショッピングモール)のATMに家賃で払う現金をおろしに行く。この円高に乗じて、半年分ぐらい一気に払ってしまおうという算段だ。ただ、ATMで現金を降ろすとなぜかRs.1000札が出て来ないでRs.500札で出てくるので、大金を降ろすときには財布がパンパンになってしまうし、あまり大金を持ち歩くのも危険なので、小忠実に何回かに分けて降ろさないといけない。一ヶ月分は降ろしたので、あと5回通わないと。
帰りは、ちょっと裏道を通ってみたのだが、明後日がDiwali(ディワーリー)という祭りで、どこもかしこも祭りの準備一色だ。クリスマスと正月が一緒にやってきたような感じだ。セナさんが言っていたお土産というのは、ナッツの詰め物で、ピスタチオ、アーモンド、クルミなどの詰め合わせが山のように積み上げられている。そのほか神様のポスターや花が、どこの店にも満載である。
ここのところ、ずっと喉が少し変だと感じていた。きっと蚊取り線香のせいだろうと思っていたのだが、今朝になって鼻水も出る。家に戻ると少々熱っぽいので、薬を飲んで一眠りすることにした。そういえば、TERIで隣に座っているお姉さんが、やたらにゴホゴホ咳をして鼻をすすっているので、彼女に風邪をうつされたかもしれない。寝ようとしたのだが、近所でクラッカーがえらい勢いで鳴っている。クラッカーというより爆弾で、ベッドに振動も伝わってくる。TVでもクラッカーは、硫黄などいろいろな物質をまき散らすので、公害にもなるし、健康にも影響を及ぼすから、なるべく控えましょうと、お医者さんが訴えていた。テロもあったばかりで、爆弾だかクラッカーだかわからないものは規制されても不思議ではないのだが、神様にはかなわいようだ。なんとか一寝入りして、汗をぐっしょりかいて、熱もすっかり下がった。 明後日は、この爆弾騒ぎが一晩中続くそうだ...不安。
昨日、今日の仕事のまとめ。
動学的IOフレームで技術選択の問題を定式化することはできた。技術を、その技術をインストールするのに必要な資本係数と、インストールしたあとの投入係数の組み合わせで表現し、その組み合わせが複数あるときに要素費用の現在価値を最小化するように技術の組み合わせを決めるという問題だ。投資が関係しない静学モデルでは、技術選択の問題を線形計画問題として書き下せるのであるが、投資とその機会費用を勘案すると非線形計画にならざるを得ない。計算負荷がどの程度になるのかが心配だ。さらに様々な技術が十分に活用されるためにはインフラへの公共投資が伴なわなければならいので、その辺りをインフラ別の資本係数としてモデルを拡張することと、国際貿易の内生化を明日中にやってしまおう。労働の無制限供給、偽装失業、農村・都市の労働移動など労働市場に関わる問題、労働所得による栄養を含めた消費の問題、消費や所得から計測される不平等度の問題、これらを技術選択のモデルに導入することが次の大きな課題だ。
町は祭りの準備一色
08/10/26
日が昇る前から、ペタペタとレシート貼り...
Defence Colonyの住宅建築現場。木のつっかえ棒でコンクリが乾くのを支えます。
つっかえ棒がとれると、はい出来上がり!?