Taj 多事
Taj 多事
2008
5時半起床。7時半にセナさんと打ち合わせがあるので、洗濯などをとっとと済ませる。打ち合わせのあと8時15分前に家を出る。出がけにセナさんとお嬢さんにバスのことを聞いてみる。IHCのすぐそばにお嬢さんが通う、Delhi UniversityのDyal Singh Collegeがあるのだが、そのBus Stopで375か632のバスに乗って乗務員が「Shakarpur」といったら降りれば大丈夫だろうとのこと。さて、今日もいつものRickshawに乗れるだろうかと行ってみると、いつも車を止めてあるところに工事の土が盛ってあり、いつものオジさんがいない。しょうがないから他の車を拾おうとしていると、後ろから「ハロー!」とオジさんが声をかけてくれた。これで土日をはさんで月曜に待っていてくれたら本物だ。
8時20分前にオフィスに入ったのだが、誰もいない。電気も着いていない。窓からの明かりで十分なので、そのまま仕事を始める。産業連関分析、そもそも経済学のトレーニングの経験のない人達に動学モデルをわかってもらうようにpaperを書かないといけない。数量モデルは、おそらく直感的に理解できると思うのだが、価格のモデルの資本の収益率などはどうであろうか。なんとか平易に書いてみたのだが、英語がそれに伴っているかどうかが問題だ。
昼は、Kahn Marketまで足を伸ばしてみる。IHCから歩いて15分。セナさんのところでお世話になるようになってから、Rickshawで往復しているので、たまには歩かなくてはという意味もある。それに前回Kahn Marketへ日曜日に行ってしまい、ほとんどの店が閉まっていたので、平日に訪ねてみようというのも一つの理由だ。すごい混雑だ。それもみなさん運転手付きの車(当然Rickshawではありません)で来るから歩く隙間を探すもの大変だ。なるほどこういうマーケットなわけだ。これでは、いろいろ見て回るというわけにもいかないので(もちろんこちらも仕事中でそんなに時間があるわけではないのだが)、こないだ来たときに目に留まったChinese Restaurant、China Fareに入る。
メニューを見てビックリ。一番安いランチの定食でRs.180だ。Gulba’sなら3日はランチできる値段だ。なるほどこういうマーケットかをもう一回。それでも今まで一番高かったのは、27JBGHでMunnaが買って来たRs.300のランチですけど。Rs.180の定食だとスープが付かない。なぜスープを飲みたいかと言うと、Corn soupとHot and Sour soupの二つから選ぶことができるのだが、実は、米国のケンブリッジに住んでいたときにチャイニーズにランチに行くと必ずこのオプションで、必ずといってよいほどHot nad Sourを飲んでいた。なんだか無性にHot and Sour Soupが飲みたくなってしまって、Rs.210のNon-vegetarian Executive Mealという定食を注文。Hot and Sour Soupは、酢辣湯という中華スープで、読んで字の如く辣油で辛くて酢ですっぱいスープだ。米国で病み付きになって以来、自分でも作ったりするのだが、自分で作ったのが一番美味いような気がする。メインディッシュは、Chawmein(焼きそば)を主に、ラムと野菜のあんかけ風と酢鶏(酢豚ではない)で、どれも美味い。今日の為替レートで換算すれば約420円だから、この味、この量で、この値段なら日本にいれば感激ものだ。それにしても円高の勢いがすごい。15年前にHarvard大学にいたときも1ドル90円台、最も高いときにで80円を割ろうという時があった。外国にいる身としては助かるのですが...
午後もpaper書きを続け、動的価格モデルの説明をほぼ終える。次の技術選択の問題にするところが難しい。たとえば、多期間のCO2排出量最小化というような目的関数を設定すれば、数量モデルは比較的容易に解けるのだが、その場合、双対問題の意味がよくわからない。所得式との整合性を保持すると解き方がえらく難しくなる。
5時半にTERIを出る。今日は、バスに初挑戦してみよう。Bus Stopまで5分ほど歩く。CollegeのBus Stopということで学生らしき若者がたくさんいる。いきなり375番のバスが来る。すでに人がぶら下がっている。これ以上乗れないといことで、通過する。数人の若者が走っているバスに果敢に乗り込もうとするが、一人二人は乗れたかもしれないがほとんどだめ。続いて632も来たが、同じ状態。何台か見送ればなんとかなるだろうと高をくくっていたら、その次が全然来ない。他の路線のバスは、比較的空いている。30分ほどして、また375と632が続けて来るが、状況に変化はない。Rickshawにしようかと思ったが、目の前を通るRickshawに空の車はない。
今日は、何としてもバスに乗ろう。6時半を回って6台目がやってきた。これも超満員なので、これ以上乗せたくないということで、バスはスピードを落とす程度で止まらない。必死で乗り込む。混んでるなんてものじゃない。座席に座っている人の前にも人が立っていて、外なんて見えやしない。それでも券を売るお兄ちゃんは、券を買っていない客をちゃんと覚えていて、しっかり商売をしている。「Shakarpur」と言ってRs.10を渡すとRs.3のおつりが返ってきた。Rs.7。今日の為替レートで16円。とてつもなく安い。それにしてもひどい暑さだ。Rickshawや普通の乗車なら車線を変えながらスイスイ行く所をバスはそうはいかない。とにかく進まない。ITO(Income Tax Office)を過ぎたあたりで、やっと何人かが降り、降りる客に押されて券売りのお兄ちゃんの前に来たので、「Shakarpurに着いたら教えてくれ」と頼む。というのは、やっぱりこのバスは止まらないのだ。ちょっとスピードが落ちた所で、女性でも飛び降りて行く。
券売りのお兄ちゃんが「Shakarpur、Shakarupur」と叫ぶ。たいそうな人数が降りようと前に押し掛けてきた。押されながら飛び降りる。道の端ではないので、降りた所を車やバイクが通りすぎて行く。命がけのダイブだ。もう7時半を回っている。約1時間乗っていたことになる。それはいいけど、降りた所がどこだか全然わからない。とにかく混んでいて外がまったく見えなかったので、本来行くべきところの手前なのか、過ぎてしまったのかもわからない。目立つ標識を見つけてセナさんに電話をする。とっくに通り越して随分と遠くへ来てしまったようだ。Shakarpurと一口にいっても広いのだ。でも方向さへわかればなんとかなる。インドに来てすぐに地図を頼りに歩き回ったおかげで、どんな道でも歩くことは苦にならないし、こういう事態になっても慌てることもない。15分ほど歩いて帰宅。その間、セナさんが心配をして何度か電話をくれたし、門を入ったところで出迎えてくれた。Delhiの人口がどんどん増えて、交通の状況はますます悪くなっているとのことだ。2010年に開通予定のMetroをみんな待ち詫びている。
Rickshawの代替手段としてバスを試してみたのだが、時間は倍以上かかるし、 日本の電車のラッシュの比ではない絶望的な混雑が毎日ということでは疲れてしまう。帰りだけ、IHC-Smile Inn間限定で車を雇う方がよいかもしれないとのセナさんのご意見である。適当な値段で雇えるかどうか聞いていただけるということなので、お願いした。
さて、今日でインドに来てちょうど一ヶ月が過ぎた。あっという間に過ぎたという気はあまりしない。来たばかりということもあるだろうが、この日記のネタになるようなことが毎日起きていたのだ。いろいろあるけど、いまのところ十分に楽しんでいる。
今日で1ヶ月。バスに初挑戦。
08/10/24
Kahn MarketにあるChina Fareというレストランのランチ定食についてくるHot and Sour Soup。米国ケンブリッジを思い出して無性に飲みたくなってしまいました。
Non-vegetarian Executive Meal、Rs.210。随分と高い。Kahn Marketは、それでもOKな人達しかこないマーケットのようです。
こんな感じでバスを待って、目的のバスが来たら飛び乗ります。降りる時も飛び降ります。Rs.7。Kahn Marketのランチがどれだけ高価かわかると思います。もちろんKahn Marketで買い物する人達はおかかえ運転手を雇っていますから、バスには乗りません。
バスのチケット。Rs.7。あの混雑の中でもしっかりと料金を徴収されます。