『現代原価計算講義』[第2版](中央経済社,1997年10月)(第1版1994年9月)


本書の特徴
独習者でも読んで分かることを念頭に置いて執筆された著書。

丁寧な説明と図解の多さ,「学習マップ」による学習経験に応じた原価計算学習,

豊富な数値例,学習者の立場に立った従来の常識に反する構成など


前書き抜粋
本書では、学習者がつまずくことなく、スムーズかつ短時間に原価計算を学習・理解で

きるような工夫がこらされている。・・・ まず原価集計の流れ、原価計算の構造をつか

み、その後に学習者の必要に応じて手続き的な細部を学習できるような構成で執筆し

てあること,・・・


コメント
本書は,分かりやすくかつコンパクトな原価計算のテキストを念頭に置いて執筆を始め

たが,分かりやすさを追求して丁寧な図解,説明をしているうちにコンパクトではなく

なってしまった。コンパクトではなくなった反面,読んで分かりやすいテキストとなっている

と思う。読者も私の狙いを評価してくれているようである。本書では,伝統的な原価計算

を分かりやすく教えることを狙ったため,原価計算についての新動向や組織管理,予算

管理にかかわる部分の記述が不足している。

原価計算の新動向に焦点を絞ったテキストは現在執筆中である。執筆中のテキストも,

分かりやすい説明と豊富な数値例が特徴になると思われる。


第2版
投資プロジェクト案の会計的側面からの評価を大幅に充実。

全部原価計算方式の損益分岐分析,経営レバレッジ係数,LPのシンプレックス法と

グラフによる解法,単純回帰のパラメータの推定を追加


正誤表
ペ−ジ
誤り

p.196 第1パラグラフ2行目
異常減損発生ポイント<月末仕掛品の進捗度
月末仕掛品の進捗度異常減損発生ポイント 

(順番が逆になっている)

p.435 第1パラグラフ1行目
「正味現在価値が・・・」の前に挿入
資本コストが正である範囲では「正味現在価値が・・・」


参考:負の範囲で内部利益率−83.23%がある。
p.399 最終パラグラフ3行目
決定係数は±1の間の値をとり
決定係数は0〜1の間の値をとり
  同上 3〜4行目
±1のとき ・・・ ±1に近いほど
のとき ・・・ に近いほど


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